【イベントレポート】尾上松也、シネマ歌舞伎でよみがえる「刀剣乱舞」に感慨「新たな『月刀剣縁桐』を楽しんで」
シネマ歌舞伎「刀剣乱舞 月刀剣縁桐（つきのつるぎえにしのきりのは）」の舞台挨拶付き完成披露上映会が本日3月25日に東京・丸の内ピカデリーで開催。演出・主演を担った尾上松也のほか、キャストの尾上右近、中村鷹之資、中村莟玉、上村吉太朗、河合雪之丞が登壇した。 【画像】シネマ歌舞伎「刀剣乱舞 月刀剣縁桐」舞台挨拶付き完成披露上映会に出席した尾上松也 刀剣に宿る付喪神が戦士へと姿を変えた“刀剣男士”を率い、歴史を守るため戦うゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」を原案とし、2023年7月に上演された「刀剣乱舞 月刀剣縁桐」をシネマ歌舞伎化した本作。名刀・三日月宗近の最初の持ち主と言われた足利義輝と、刀剣男士たちの宿命の戦いが描かれる。 三日月宗近役の松也は、本作の企画から参加したことについて「新作として歌舞伎に付け加えられる作品を作りたいとずっと思っていました。そんな中で『刀剣乱舞』と出会って。メディアミックスを担当する皆さんがそれぞれオリジナルを考えていらっしゃるので、自分たちだけの新しいストーリーを考えられるという点が魅力的でした」と振り返る。企画の構想には2年かかったそうで「どんなキャラクターを登場させようか、何度も会議を重ねました。昨年のお正月頃まで考えていたストーリーがあったんですが、僕の一存で三日月宗近の物語に急遽変更していただいたんです」と明かした。 足利義輝 / 小狐丸役の右近は、役作りについて「原作のファンが多い作品で、『刀剣乱舞』ファンならば誰もが知っているキャラクター。歌舞伎に落とし込んだらどうなるのかを考えましたし、“歌舞伎でしかできないこと”をやりたいと思ったんです」と当時の心境を吐露。まだ役が決まっていないときに別の仕事で伏見稲荷を訪れたことに触れ、「御劔社に行ったんですが、そこには宗近が小狐丸を作ったとされている井戸があるんです。そのときにスタッフの皆さんの空気がピタッと止まって。ひょっとしたら『刀剣乱舞』で小狐丸をやらせてもらえるかもって話していたんです。だから僕は“小狐丸に選ばれし者”なんですよ！」とエピソードを披露し、観客から大きな拍手を浴びた。 松永久直 / 同田貫正国役の鷹之資は「もとの作品があるということに初挑戦でドキドキしました。『刀剣乱舞』はどういうものだろうと思って観てみたらスラっとした人が多くて『僕の身長で大丈夫だろうか』と心配になったんです」と打ち明ける。役が決まったときにはファンからメッセージをもらったそうで「『同田貫は背の低いキャラなんでいけると思います！』と励ましてもらいました（笑）」と笑顔を見せる。横でうなずく義輝妹紅梅姫 / 髭切役の莟玉も「デザインを見たときに『そうか……』と思って」と告白し「髭切は世の中のことに無頓着で、すぐ物忘れしてしまうような役。プロデューサーからは『莟玉さんにピッタリ』と言われて『そう思ってたんだ……』と（笑）」と話して周囲を笑わせた。 同じくゲームをもとにした「新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX」に出演した経験がある、膝丸役の吉太朗は「そのときはとても難しい役でした。今回演じた膝丸は歌舞伎につながる部分もあるキャラクターですし、自分がわかりやすくイメージできるように松也さんがアドバイスをしてくださったんです」と感謝を伝える。小烏丸役の雪之丞は、松也から出演の誘いを受けたことに触れ「『私でいいんですか』と返事をしたら『いいです……』と言われて」と口にする。そんな雪之丞に松也は「そんな言い方してないですよ！」とツッコみ、「途中からセリフを増やしたりしましたが、本番も完璧にやってくださって……」と尊敬のまなざしを向けた。 最後に松也は、本作における“シネマ歌舞伎ならでは”の魅力として「舞台の観客席からはわかりにくいような細かいディテールもこだわっているので、大きな画面でクローズアップされると伝わりやすいのかな」と言及。「普段は観られないようなアングルで撮っていたりもするので、いろいろな魅力が詰まっている。新たな『月刀剣縁桐』を観ていただくつもりで楽しんでほしい」と呼びかけた。 シネマ歌舞伎「刀剣乱舞 月刀剣縁桐」は4月5日に全国で公開される。 (c)NITRO PLUS・EXNOA LLC/新作歌舞伎『刀剣乱舞』製作委員会
