近江、エースで4番の山田陽翔中心に接戦強み 選抜高校野球決勝
第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)の決勝は31日午後0時半から、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で始まる。補欠校から繰り上げ出場し、滋賀県勢として春夏通じて初優勝を目指す近江と、4年ぶり4回目のセンバツ制覇を狙う大阪桐蔭が対戦する。エース、4番、主将の3役をこなす山田陽翔(はると)投手(3年)を中心に接戦に強い近江か。複数の投手陣に加え、2試合連続2桁得点という破壊的な打撃力で圧倒してきた大阪桐蔭か。春の王者が決まる。【山口一朗】 【全試合あります! 球児の熱い戦いを号外で】 準決勝の浦和学院(埼玉)戦で左足に死球を受けた山田投手。一時退場して治療を受けた後、マウンドに復帰すると、最速145キロの直球を投げ込むなど気迫がさらにみなぎった。「僕は4番でエースで主将。引くわけにはいかない」と語り、多賀章仁監督(62)も「将来のある選手。私が(降板させる)決断をしなければと思ったが、魂のこもったマウンドさばきを見せてくれた。本当にすごい男」と振り返った。 昨夏の甲子園でも5試合全てに先発して4強入りに貢献したが、大会後に右肘のけがが判明。治療に専念した秋季大会は登板せず、チームも近畿地区大会8強にとどまった。「投げられないもどかしさが身に染み、それが成長につながった」。12月に投球練習を再開すると、プロ選手も指導するトレーナーの助言も得ながら、肩や肘の負担が少ない新フォームで、鍛錬の冬を過ごした。 今大会は延長戦2試合を含む4試合計42回を一人で投げ抜き、総投球数は549球。それでも「完投がなかった昨夏より体が軽い」という。狙って三振を奪える力強さに加え、2回戦の聖光学院(福島)戦では、2奪三振ながら打者のタイミングを外して87球で完投するなど投球の幅は広がっている。初の甲子園制覇まで、あと一つ。補欠校からの下克上を成し遂げる。【礒野健一】 ◇決勝戦もライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では、決勝もライブ中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。