「寿泉荘」50年の歴史に幕 27日閉館、60歳以上に無料開放【山口】
山口市湯田温泉5丁目の市老人憩いの家「寿泉荘」(池田美左代館長)が、27日に閉館し、1974年1月の開館以来50年の歴史に幕を閉じる。同館では最後の思い出をつくってもらおうと、入館可能な60歳以上を対象に無料開放している。 同館は、高齢者の交流の場として開館。温浴施設に加え、ステージを備えた70平方㍍の大広間や談話室、和室を持つ。無料の駐車場もある。入館料は100円。 入浴後には将棋や囲碁を通じて市民が交流を楽しんでいた。7月に設備内の天井が破損して、温泉が利用できなくなってから来場者は減っていたが、それまでは市内外から1日70~100人が来場していたという。コロナ禍前には大広間が地域住民による文化活動の発表の場としても使われていた。 温浴施設など同様の機能を持つ市多世代交流拠点「湯田温泉パーク」が近接地に建設されるため、閉館が決まった。年明けから解体作業が始まり、跡地は同パークの駐車場となる。 7、8年前から利用する清水洋志さん(74)=大内=は「一人暮らしの高齢者にとって、湯田温泉の中心地にあり、100円で温泉に入れて将棋などで同年代と交流できるいい場所だった」と閉館を惜しむ。 閉館を記念し、入館者先着100人に無料タオルを配布。コーヒーやお茶を無料提供する喫茶コーナーを用意し、マッサージチェア2台も無料開放する。20日は脳の活性化や足の筋力補強を行う健康教室を開催。定員12人で18日までに申し込みが必要。無料。 開館時間は午前9時~午後5時。月曜休館。問い合わせは同館(電話083-924-4115)へ。