漂着ごみ、おしゃれなサーフボードに再生 徳島のサーファー「再利用」発信へ2年がかり
海陽町久保でゲストハウスなどを営むサーファーの田中宗豊さん(49)が、漂着ごみを使ったサーフボードを完成させた。「ごみに機能性を持たせ、どこまで美しく再利用できるか」をテーマに約2年がかりで仕上げた。今後、プロサーファーに託し、ボードに込めた思いを国内外で広めてもらう考えだ。 プロサーファー安室丈「365日波に乗りたい」【未来にカケル!徳島生まれのアスリート】<3> ボードは長さ180センチ、幅52センチ、厚さ6・5センチのショートボード。漁船の緩衝材などに使われる発泡スチロール製のブイ(長さ約1メートル、幅50センチ)をブロック状にカットし、サーフボードの中心部に使われるストリンガーと呼ばれる木製の3本の補強材に張り合わせた。 両面には竹の突き板を貼り、麻布でボードの縁の部分を覆って強度を上げた。速度とコントロールに重要な両サイドのエッジ部分と下部のひれに当たるフィンの固定には、自身の農園で育てたホーリーバジルを天日干しする際に使った麻ひもを再利用した。 田中さんはプロサーファーとして世界中を旅した後、同町で農業やゲストハウスの運営、サーフボードの製造販売などを手がける会社「ルロクラシック」を設立し、自然に寄り添った暮らしを実践している。 「『見方を変えればごみでも役に立つ』というメッセジーを届けたかった」と言う田中さん。日常的に行っているビーチクリーンでブイを見つけてから、その活用法を模索していた。 ボードは商品化せず、生き方や文化をサーフィンで表現するプロサーファーに託す。田中さんは「サーフィンを通じて自分が込めたメッセージが広く伝わることを願っている」と話した。