3度増額の三井ハイテックは「業績確変モード」入りなのか
駆動用と発電用の2種類あるモーターコア。EV用モーターコアで世界シェア6割を握っており、EV関連銘柄として市場からの注目度が高まっている(写真提供:三井ハイテック)
「2度あることは3度ある」。3連休明けの1月11日、12月13日以降、キープしてきた株価1万円の大台を1カ月ぶりに割り込んだ三井ハイテック(6966)。12月3日に配信した「 『営業益3倍』見込む三井ハイテック、勝負所に迫る最新状況 」で注目決算であると述べた、今2022年1月期第3四半期(2021年2~10月)は、半導体不足による自動車減産や海上輸送遅延といった懸念材料を一掃する好走ぶり。今期3度目の上方修正(第1~第3の各四半期決算発表時)と大幅増配のおまけまでついた。 天井知らずの業績上振れの余勢を駆って、決算と上方修正発表後の最初の取引となった12月13日は値幅制限の上限のストップ高水準(1500円)まで買われ、終値は1万0250円。1年前の大納会12月30日終値が3875円だったから、この1年間で2.5倍以上。さらなる高みを望む勢いがあると、約1週間前の大発会4日は取引時間中に1万1970円まで駆け上がった。 今回はこの第3四半期実績の振り返りと、急膨張した時価総額が示唆する企業価値向上への期待感や課題を、同社への取材に基づき浮き彫りにする。驚天動地と言っても過言ではない業績高水準は「確変」に突入したと言えるのか、経営構造の変化を検証してみたい。
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古庄 英一