人気アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の聖地になった伊豆・内浦
静岡県沼津市内浦地区は、伊豆半島の付け根、駿河湾をのぞむ人口1800人程度ののどかな地域。そんな内浦地区に若者の姿が目立つようになったのは1年ほど前から。観光客とはやや趣が異なる彼らは、内浦の日常の風景に感動し写真を撮り、繰り返しこの地域を訪れる。彼らはなぜ内浦を訪れるのか?
8月のある日、沼津市街から車を飛ばして内浦へと足を伸ばした。駿河湾の海が前面に広がり、背後には山が迫る伊豆の半農半漁の街といった風情。山ではミカンが栽培され、内浦港には何隻もの漁船が停泊していた。港の近くには外周約2.5キロの小さな無人島、淡島が海上に浮かび地域のシンボルになっている。マリンパークやホテルもあり、観光の街でもあるようだ。 内浦に着いた時、すでに陽は洋上に傾いていて、山間の寺院の鐘が響き、実にのどかな雰囲気が漂っていた。若者が多く訪れるという幹線道路沿いの菓子店に足を向けるとすでに閉店。店舗前にいると、1人の若い男性が現れ、背中のリュックをおろしはじめた。 何をするのか見ていると、リュックから女の子の人形を取り出し、店舗を背に人形をスマートフォンで撮り始めた。不思議な行為に思わず話しかけると、人形は、人気アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の登場人物の人形で、男性は他にも様々なラブライブ!サンシャイン!!の登場人物の人形を持っていると自慢げに教えてくれた。
ラブライブ!サンシャイン!!は、9人の少女たちが、自らが通う高校を盛り上げるために学校内でアイドルグループを結成し、目標に向かって成長していく姿を描いたアニメ。内浦地区が舞台となっており、内浦地区の風景や建物、場所さらに沼津市街の光景などが作品の中でリアルに描かれていることから、多くのファンが”聖地巡礼“として内浦を訪れているのだ。 男性に話しを聞いている最中にも、車にアニメの装飾を施した若いグループが話しかけてきた。静岡市からきたアニメファンとのことで、内浦にはしばしば来ているとのこと。男性にもどこから来たのか聞くと、アメリカから1人できたというので改めてびっくり。ラブライブ!サンシャイン!!の魅力を聞くと、「歌も好きだし主人公も好き。ストーリーにも感動した」と流ちょうな日本語で話してくれた。