寒さ本格化…別府市消防本部がヒートショックへの注意呼びかけ 市内温泉430施設「利用者間で声のかけ合い」「行き帰りは温かい格好で」
年の瀬を迎え、寒さが本格化した。大分県の別府市消防本部は入浴時の急な温度変化で脳卒中や心筋梗塞などを引き起こす「ヒートショック」への注意を呼びかけている。市内では2023年に181人が入浴に関連した体調不良で救急搬送され、13人が亡くなった。泉都には約430の温泉施設があり、家族や利用者間で声をかけ合うなどの対策を取るよう促す。 消防本部によると、搬送者のうち136人(75・1%)は60代以上が占めた。月別にみると▽1月 25人▽12月 21人▽3月 19人―の順で、気温が低い時季に多発していた。 場所は自宅が65人。半数以上の116人は公衆浴場や宿泊施設の温泉などで気分が悪くなったり意識が遠のいたりしたという。 ヒートショックは急激な気温差に身体がさらされた際、血圧が大きく変動するなどして起きる。市温泉課によると、水温43~45度の「あつ湯」を好む市民も多い。冷え込んだ日は特に注意が必要だ。 搬送者は20年が138人、21年が117人だった。22年は178人で、コロナ禍の行動制限の緩和とともに増加傾向に転じたとみられる。 大分地方気象台によると、今冬は平年並みの寒さになる見通し。水分補給や適度な入浴時間の確保といった基本的な対策に加え、消防本部は▽家族や介助者がいる時間、場所で入浴する▽公衆浴場の行き帰りは、薄着ではなく温かい格好をする―といった予防策を講じるよう求めている。