外国人登山者向けのガイド養成へ 信州の魅力伝達や遭難時対応が目的
国により違う登山の作法や緊急時対応
ガイドの養成は、海外から信州の山岳や高原を訪れた登山者や観光客が風景を見るだけで帰るのではなく、自然環境などについて深い理解をしてもらうのが狙い。 また登山者の場合は、日本の山岳の特徴や遭難防止の知識を十分に理解してもらい、安全な山行を楽しんでもらうのが目的です。国により登山の作法や緊急時の対応が異なる場合があり、遭難救助の際の円滑な対応を進めるために事前のコミュニケーションも重要とされます。 例えば冬山の稜線上にいた外国の登山隊のうち1人が体調を崩した過去のケースでは、救助隊がヘリコプターによる全員救助の方針を伝えたが、登山隊は「病人だけヘリコプターで降ろしてほしい。本隊は登山を続ける」と主張。救助隊と何回かのやり取りの末、全員救助したこともありました。 緊急時の対応などで意思疎通が不十分だと、現場で混乱する恐れもあり、高いコミュニケーション力を持つガイドの存在は重要。登山者への事前の助言も緊急時の迅速な対応につながることになります。
-------------------------------------- ■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者・編集者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説