<箱根駅伝>V3を狙う本命・青学を倒すのはどこ?
いよいよ、明日2日、第93回箱根駅伝が大手町を出発地点に往路からスタートする。「3連覇」&「駅伝3冠」を目指す青学大がダントツのV候補。だが、ライバルの有力5校も、打倒・アオガクの戦略を練る。「故障者も出てるし、楽に勝てる大会ではない」と、原晋監督が弱気な発言をしている一方で、打倒・アオガクに燃える“5強”は、どんな青写真を描いているのか。 まずは大本命・青学大の区間登録を見てみよう。 1区梶谷瑠哉、2区一色恭志、3区秋山雄飛、4区森田歩希、5区貞永隆佑、6区小野田勇次、7区林奎介、8区吉永竜聖、9区池田生成、10区中村祐紀で、補欠に安藤悠哉、村井駿、茂木亮太、下田裕太、田村和希、鈴木塁人を入れている。前回は1区、4区、8区、10区を、前々回も1区、4区、8区、9区を交代。当日変更で入った選手は、延べ8名中7名が区間賞(ひとりは区間2位)という抜群の成績を残している。 原監督は意外に保守的な面もあり、前年のスタイルを踏襲するタイプ。今回も最大4名の選手を当日変更で投入すると見ていい。順当なら安藤、下田、田村、鈴木になるが、故障者もいるということで、他の選手が入る可能性もある。 そして、「今回は簡単に勝たせてもらえない。往路は混戦で、復路でたたき合いになる。後半にも枚数が残っている感じにした。往路は3位以内。トップから2分差以内にいたい」と話しており、8~10区での逆転劇も視野に入れているようだ。 青学大はケニア人留学生を除けば、「2区一色」という最強のカードを持つ。一色は3年連続の2区(前回はトップを独走して1時間7分35秒)で、11月の全日本大学駅伝では最終8区で49秒差をひっくり返している。1区で大きく出遅れない限り、2区終了時で好位置につけることができるのが強みだ。 そして青学大にはもう1枚のジョーカーがある。前回、前々回の4区で区間賞を獲得している3年生の田村だ。今季は出雲2区で4人抜き、全日本2区で7人抜きを演じて、ともに区間賞をゲット。1万mでは今季日本人最高の28分18秒31をマークしており、田村の区間でレースを大きく動かすことができる。 ただ田村は暑さが得意ではなく、気温が上昇する8~10区の起用は考えにくい。そうなると1区、3区、4区、7区のどこかに入ることになる。いずれにしも、田村の区間でトップを奪う、もしくは逆転のメドをつけることが、青学大が勝つための戦略になるだろう。 また青学大は5区に不安を抱える一方で、6区には前回、区間2位の58分31秒で快走している小野田勇次がスタンバイ。そのキャリアと実力を考えると他の有力校より1~2分のアドバンテージはある。7区以降の戦力は青学大が優勢だけに、他大学が総合優勝するためには、往路でどれだけ青学大からリードを奪うかにかかっている。