賃貸物件の更新料として5万円請求されました。どうして家賃1ヶ月分も必要なのですか? 法律で決まっているのでしょうか?
賃貸物件に長期間住み続ける場合、賃貸契約の更新に伴い、更新料が請求される場合があります。しかし、毎月家賃を支払っているのに、追加で更新料まで支払わなければならないことに不満がある方もいるのではないでしょうか。本記事では、賃貸物件の更新料の支払い義務や相場など、賃貸借契約について解説します。 ▼アパートの1階と2階で「家賃」はどれだけ変わる? 1階暮らしのメリット・デメリットも紹介
賃貸借契約に記載があれば更新料を支払う義務がある
結論として、賃貸借契約に更新料についての記載があれば支払う義務が発生します。 賃貸物件の更新とは、賃貸借契約の期間満了後に賃貸借契約を存続させるための手続きです。更新料の支払いは法令で定められているわけではありませんが、賃貸借契約に更新料の規定がある場合は有効であるとして、最高裁の判断も示されています。 そのため、更新料については、賃貸物件を借りる際の最初の契約時に確認しておく必要があるといえるでしょう。 ■家賃1ヶ月分は更新料としては妥当 家賃1ヶ月分の請求は、更新料としては妥当といえます。国土交通省の「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」によると、更新手数料がある世帯は45.8%で、月数は1ヶ月ちょうどが77.2%と圧倒的で、次に2ヶ月ちょうどの9.8%、1ヶ月未満が7.9%と続きます。 ■賃貸借契約とは? 賃貸借契約とは、賃貸物件を貸し借りする際に締結する契約を指します。賃料や共益費のほか、更新料などの取り決めも賃貸借契約で行われます。 不動産屋で賃貸物件を借りる際は、賃貸借契約書に署名・捺印が必要です。契約の際には、不明な内容がないかどうか確認しておくようにしましょう。
更新料は値下げできる? 更新料を支払わないとどうなるの?
賃貸借契約の更新には、「合意更新」と「法定更新」の2種類あります。 ●合意更新:契約期間満了に当たり、当事者間の合意のうえで契約を更新する ●法定更新:借地借家法の規定に基づき、当事者が契約期間満了の1年前から6ヶ月前までに相手方に更新をしない旨の通知、もしくは条件変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったとき、または通知の際に貸主から更新を拒絶する正当な事由がないときは、従前の契約と同一条件で契約を更新したものとみなす 更新料の交渉は、合意更新の場合にできる可能性があります。以下で、詳しく見ていきましょう。 ■更新料を値下げできる? 合意更新の場合、借主と貸主が相互で合意のうえ賃貸借契約を更新します。そのため、更新料に不満がある場合は、更新時に交渉をするのも一つの手段です。例えば、更新料が家賃2ヶ月分など、一般的な相場よりも高い場合には交渉の余地があると考えられます。 ■更新料を支払わないとどうなる? 更新料に納得がいかない場合でも、賃貸借契約で定められた更新料を支払わなかった場合、賃貸契約が解除となる場合があります。賃貸借契約に記載のある更新料の支払い義務については最高裁の判断もあるため、強制解約の原因となってしまうリスクがあります。 更新料に不満がある場合は、一方的に支払いを拒否するのではなく、まずは貸主と交渉をするようにしましょう。