46年ぶりNHK『紅白歌合戦』出場の伊藤蘭 女優復帰時に明かしていた「キャンディーズ解散の真相」
昨年大晦日の第74回NHK『紅白歌合戦』で「キャンディーズ50周年SPメドレー」として往年のヒット曲『年下の男の子』『ハートのエースが出てこない』『春一番』を熱唱して会場に詰め掛けたキャンディーズ親衛隊や視聴者を魅了した伊藤蘭。46年ぶりの紅白出場で、ソロとして初出場を果たした。 【紅白出場の…写真あり】’24年中に結婚の可能性も…あいみょんと尾崎世界観「高級鮨屋デート」の「その後」 数々のヒット曲で一世を風靡していたランちゃん(伊藤蘭=当時22)、スーちゃん(田中好子=同21)、ミキちゃん(藤村美樹=同21)のキャンディーズは’77年7月17日、4万人の熱狂的なファンが詰めかけた日比谷野外音楽堂のコンサートの最後に、 「キャンディーズは解散することになりました」 と解散宣言して3人はその場に泣き崩れた。 突然の解散宣言に会場は騒然となり、翌日3人が記者会見したときに語った 「普通の女の子に戻りたい」 という言葉は当時の流行語になったほどだ。 その年の年末、キャンディーズはNHK紅白に最後の出演をし、翌’78年に全国8都市で「サヨナラコンサート」を行い、同年4月4日の後楽園球場がファイナルとなった。 5万5000人が詰め掛け異様な熱気のなか3時間の熱唱。数万本の紙テープが舞うなか 「私たちは幸せでした」 と言って3人はステージを降り、国民的アイドルグループ『キャンディーズ』の4年半の活動に幕を閉じた。 それから2年後の’80年3月に伊藤蘭はTBS系のドラマ『春のささやき』で女優として復帰する。映画『ヒポクラテスたち』(大森一樹監督)にも出演。そして寅さんシリーズ25作目の松竹『男はつらいよ 寅次郎かもめ歌』のマドンナ役に抜擢されたときに、東京・銀座のレストランでインタビューしたことがあった。 同じく同年に復帰した田中好子主演の『土佐の一本釣り』が同時上映で、2人の“競演”としても話題になった。 「私がやりたかったことと、大森監督の映画がぴったり一致して『ヒポクラテス』がカムバックのスタートになって。今年の締めくくりが寅さんのマドンナと、すごくラッキーな一年になりました」 と喜んだ。 カムバックした時に「普通の女の子に戻れなかった」とも言われたが、 「そのことについてはもう何回も言われたので、またという気持ちですけど、結局、キャンディーズ解散が目的で、解散した後に自分の本当にやりたいことがあれば、一人一人になってもやろうと、3人で話してました」 とキャンディーズ解散の“真相”を明かした。 そのキャンディーズについては 「素敵な思い出として、ちっちゃな箱に入れてとっておきたい。きれいなリボンを結んで」 と言っていたのが印象的だった。 音楽関係者とのロマンスの噂を一部で報じられたこともあったが 「もうすごく頭に来ちゃいました。何もないのに。結婚は当分考えていません」 と女優の仕事に燃えていた。水谷豊と結婚したのは、それから9年後の’89年のことだった。 前出の『男はつらいよ』で共演した渥美清は 「カメラの前では上がらずセリフもトチらないし、昔の女優では考えられないほどうまい」 と絶賛。山田監督も 「体と感性で表現していける役者」 と評価。その後も数多くのドラマや映画に出演して女優として大きく開花していった。 また、‘19年にアルバム『My Bouquet』(マイ・ブーケ)をリリースしてキャンディーズ解散以来41年ぶりにソロ歌手としてデビュー。コンサートツアーも行った。女優&歌手の“二刀流”で、さらなる活躍が期待されている――。 文:阪本 良(ライター、元『東京スポーツ新聞社』文化社会部部長) Webマガジン『PlusαToday』を始め、芸能、映画、ハリウッド情報などの記事を執筆。日本映画ペンクラブ会員
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