謝罪の核心が不明のままの中居クンの謝罪文はなぜあんなに「変な文章」なのか。企業のリスク管理目線で考察してみた。
先週発表された中居正広氏の謝罪リリースは、多くの人に違和感を与えました。特に 「今後の芸能活動についても支障なく続けられることになりました」 この記事の他の画像を見る の部分は、SNSでも「自分で言うな」「お前が決めることじゃないだろ」といった声が多く見られましたね。 評判の悪いリリースでしたが、言うまでもなく中居氏が1人で作成したワケではありません。それなりの専門家が複数人、しっかり関わっています。 広報や謝罪リリースに少しでも関わった方ならすぐにピンと来ると思いますが、限られた時間で色んな人が入れ替わり立ち代わり、各々の「狙い」を盛り込んで修正しまくると、やがて原形をとどめない、でも不自然さだけは強烈な「整形美人」みたいな……つまりあんな感じの文章になるのです。 文面の不自然さについては「……ですよね」が中居サイドの本音でしょう。それでも、 「支障なく続けられることに〜」 という一文は、不自然だろうがトンマナから外れようが、絶対に入れる必要がありました。いま中居氏が直面しているリスクを考慮すれば、ああ言わざるを得なかったのです。 その中居氏のリスクとは、言うまでもなく「超大型」の広告案件をいくつも抱えていること、ですよね。件のトラブルが報じられて以降、出演CMが消え、いわゆる「差替え広告」が目立ち始めましたが、年末の人手不足がビジネスチャンスの「すきまバイト企業」、年始の初売りで新規契約を増やしたかった「携帯キャリア」が大打撃を受けたのは間違いなく、CM以外でも店頭ポスター、ネット広告の差替え等が鬼のように発生したはず。 無論そういった大型案件には、不祥事などで広告が出せなくなった際に備えて莫大な違約金条項が添えられており、今はまさにソレが発動するかどうかの瀬戸際です。 一方、今回のトラブルで特殊なのが、守秘義務のある和解にもかかわらず、核心以外の情報がダダ洩れになっている点。それはそれでドン引きですが、ダダ洩れとは言え、その内容はオフィシャルに語られたものではなく、突き詰めれば何が起きたかは、公には誰も知らないワケで(実際、私たちは詳細を知らない)。 「支障なく続けられることに〜」の狙いは、企業から違約金を求められた際に、あ、何らかのトラブルがあったのは事実だけど、当事者同士で和解しているし、何が起きたかは公表しないし、報じられているのは憶測を含む内容に過ぎないのだから、それを以てCMや広告を止めるほどの不祥事とは言えないのでは。ならば違約金の対象にもならないはず。私は今後も仕事をする意思がありますよ……と何らかの交渉が出来るようにする「仕込み」なのでしょう。 世間から反感を買おうが、変な文章だと言われようが、違約金に対する防衛策を優先せざるを得なかった。逆に言えば、それだけ切羽詰まっているのかもしれません。