世界の温室ガス排出、最多 1.5度実現「確率14%」
世界の2022年の温室効果ガス排出量は前年から1.2%増えて過去最多となり、二酸化炭素(CO2)換算で574億トンに上ったとの報告書を国連環境計画(UNEP)が20日、公表した。このままでは、産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑えるパリ協定の目標が達成できる可能性が低く、確率は最大14%しかないと指摘した。対策が遅れれば3度近い上昇になるとしている。 アンダーセン事務局長は、今年が観測史上最も暑い年になる見通しに言及し「人類は気候変動に関し誤った記録を塗り替えており、軌道修正すべきだ」と早期の脱炭素を訴えた。先進国が排出削減をより強化し、発展途上国に資金や技術を支援する必要性も強調した。 報告書は、各国が掲げている削減数値を基にすると、世界の排出量は30年時点で520億トン、35年時点で510億トンになると予測した。「1.5度目標」を50%の確率で達成するには、それぞれ330億トンと250億トンまで急激に減らす必要があるとしている。