六軒町のサイカチの木 不定根発生を確認 館山(千葉県)
令和元年房総半島台風で倒れ、館山市の天然記念物の指定が解除された、同市北条の「六軒町のサイカチの木」。その木の洞(うろ)から不定根が発生しているのを専門家が確認した。 これを受け、「サイカチの木を守る会」(牧野昭雄会長)が9日午後1時から、近くの菜の花ホールで「サイカチの木を見て語る会」を企画した。市民公開講座として、無料で公開する。紙芝居「サイカチは生きている」も演じられる。 元禄(げんろく)の津波で、この木に登って助かったという伝承がある。高山家の鬼門封じとして植えられたとされ、伝承では樹齢1000年の巨木だが、5年前の台風で倒れ、樹木医も「再生は難しいだろう」と考えていた。 復活を願う関係者が接ぎ木した後継樹も育っていたが、県樹木医会南ブロックの樹木医らが観察を続けていたところ、本体の洞内から発生した不定根が発生し、根元の地面に入っているのが確認された。洞内が形成層になっていたのが幸いしたという。今年は関東大震災から101年でもあり、この巨木の強い生命力と歴史を考える場を設けた。 当日は菜の花ホールに集合後、歩いて移動し、サイカチの木を見学。その後、齊藤陽子樹木医の説明や経過報告、紙芝居を予定。講演は有田和實樹木医で、「サイカチの管理と保護」が語られる。 参加者交流会も予定され、この木のテーマソング「サイカチの詩(うた)」作詞者で、会副会長の並木幹夫さんを進行係に、語る会がもたれる。 参加費は無料で、飲み物は各自持参。 申し込みは、並木さん(090―4137―4621)、齊藤樹木医(090―5771―6245)へ。