ピットブルで大ケガ…犬の「かみつき事故」どう防ぐ? 条例ある自治体も… 年間4000人以上が被害【#みんなのギモン】
■日本は「飼ってはいけない犬種」はない しかし条例で規制する自治体も
そこで、ピットブルを飼うことに規制があるのかどうか、調べてみました。すると日本では「飼ってはいけない犬種」はありませんでした。しかし札幌市、水戸市、茨城県、佐賀県は、条例でルールを定めています。
上は茨城県のポスターです。かみついた場合に重大な事故になる可能性がある犬を「特定犬」としています。秋田犬や土佐犬、ドーベルマン、ピットブルなど8つの犬種です。これ以外にも個別に危険だと判断される犬も対象です。対象になると、完全に囲まれた頑丈な「おり」で飼うこと、散歩に連れ出しても他人に近づけないことを義務づけています。 こうした自治体の担当者に聞くと「危険な犬種だというレッテルを貼るつもりはない」「実際に重大事故が起きたのを受けての措置」と話していました。 このような条例があると安心ですが、一部の自治体にとどまっています。犬に対する好みも人それぞれです。だからこそ、飼い主の自覚が大事です。
■かみつき事故防ぐには… 問われる飼い主の管理力 トレーニングが有効
では、事故のリスクをどう回避できるのか、専門家に聞きました。 獣医師の奥田順之さん(人と動物の共生センター代表) 「全世界的にピットブルは、ほかの犬種に比べて事故が多いのは事実。急変して攻撃するリスクは高く、大型犬のため被害も大きくなる。しかし、全てのピットブルが必ず攻撃するわけではなく、個体差は大きい。飼い主がどう管理するかにも安全性は大きく左右される」 獣医師の井本史夫院長(井本動物病院) 「ピットブルはいつ何時、攻撃的になるかわからず、危険ではないという保証はありません。いったん攻撃的になると興奮の度合いによっては制御するのが困難になる。トレーニングして飼い主がしっかりコントロールできなければ、飼うべきではない」 では飼い主は、犬をどう育てていくのが適切なのでしょうか。東京・江戸川区のTCA東京ECO動物海洋専門学校で、トレーナーとして生徒たちに教えている安齋裕己さんに話を聞きました。 TCA東京ECO動物海洋専門学校 安齋裕己トレーナー 「どんな時でも呼んで戻ってくることができれば、攻撃的な時でも我慢する気持ちがでてくるはず。力ずくで止めるんじゃなくて、犬の意思で我慢しなくちゃいけない、呼ばれたら戻ってこなくちゃいけないとか、遊びたいけどハウス入らなくちゃいけないとか、そういうことを教えることによって、かなりコントロールできる」