横浜にCOP誘致構想、水面下で進む 2033年目標「環境問題わが事に」
国連気候変動枠組み条約の締約国会議(COP)を横浜に誘致する構想が水面下で進んでいる。「京都議定書」が採択された1997年の「COP3」京都開催から30年近くたち、日本が再び開催国として世界各国に働きかけて脱炭素社会の実現を主導する好機。横浜市は温暖化対策で他の自治体をリードしているだけに、地域からCOP誘致の機運が高まることに、国や経済界も熱い視線を注いでいる。 【写真で見る】環境省が入る中央合同庁舎5号館 構想を掲げるのは、横浜市内の起業家や自民党所属の国会議員、地方議員有志ら。8年後の2033年に予定されている「COP38」の誘致を目指している。空き家問題解決のために太陽光発電を活用して空き家を防災避難所や交流拠点に転換する「ソーラークルー」(同市磯子区)の河原勇輝社長(39)は「各国首脳から市民団体まで参加するCOP誘致を掲げることで、喫緊の課題である環境問題を多くの市民に“わが事”として捉えてほしい」と狙いを明かす。 この構想は当初、23年のCOP28に目標を据えていた。国から「SDGs(持続可能な開発目標)未来都市」に選ばれ、50年までの脱炭素化を目指す横浜市も誘致に意欲をにじませていた。 昨年の衆院選で初当選した自民党の草間剛氏(神奈川19区)は市議だった22年12月、市会の委員会で「横浜の脱炭素化の取り組みを加速させるためにCOPの横浜誘致を目指すべきだ」と提案。山中竹春市長は「前向きに検討していきたい」と答弁し、「もし開催が実現すれば、市の取り組みを世界に発信しプレゼンス(存在感)を示すことができる大変大きなチャンスになる」と述べた。
神奈川新聞社