御嶽山頂で亡き人しのぶ 噴火被災者家族が慰霊登山 長野県木曽郡木曽町・王滝村
平成26(2014)年9月の長野県木曽郡木曽町と王滝村、岐阜県にまたがる御嶽山噴火災害の被災者家族らでつくる「山びこの会」は28日、噴火災害から間もなく10年となる御嶽山に登った。8組13人が参加。山頂で犠牲者の冥福を祈った。 噴火災害で長男の英樹さん=当時(37)=を亡くした岡山県赤磐市の堀口純一さん(77)は「今年も登って来ることができたよ」と夫婦で花を手向け、持参したウイスキーを山頂からまいて供養した。「頭の中は息子のことばかり。『ひょっとして帰ってくるのでは』と今でも思ってしまう」と10年を振り返った。 噴火災害で次男の祐樹さん=当時(26)=と、祐樹さんの婚約者の丹羽由紀さん=当時(24)=を亡くした愛知県一宮市の所清和さん(62)は「われわれにとって10年は『通過点』。行方不明者が全員見つかって初めて節目と思えるようになるのかも」と語った。 29日は御嶽山黒沢口登山道8~9合目間の本谷で、秋に予定する本格的な調査に向けた事前調査を予定している。
市民タイムス