開幕まで1カ月 星稜、暖冬が後押し 屋外練習に充実感 /石川
<センバツ2019> 第91回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)は、開幕まで23日であと1カ月。寒さ厳しい石川で練習を重ねる星稜の選手たちだが、暖冬の今年はグラウンドに足を運ぶ機会も増え、春への着実な準備を進めている。星稜がセンバツに出る年は大雪が降る--。そんなジンクスを吹き飛ばし、悲願の優勝の吉兆にできるか。 22日の星稜高野球場。グラウンドで選手たちは、併殺や本塁での封殺など場面を想定した守備の連携を繰り返した。外野手は、林和成監督(43)が打ち上げた飛球を捕って本塁へ返した。室内練習場は天井の高さに限りがあるため、こんな練習はしづらい。中堅を守る東海林航介選手(2年)は「実戦(を想定できる)感覚が去年よりある」と充実感を漂わせていた。 「大雪ジンクス」は山下智将部長(37)が本田実・元部長から聞いた言い伝えだという。確かに星稜がセンバツ出場した直近3回(1997年、2005年、18年)は、出場決定の前後に県内で雪の被害があった。「雪でスリップ事故相次ぐ」(97年1月31日)、「大雪 金沢市で18センチ」(05年2月3日)--。当時を伝える毎日新聞地域面にはそんな文字が躍る。 そして、昨年の豪雪。「軽トラックを使って(野球場の)除雪をしたけど、らちが明かなくて断念した」と林監督。外で満足な練習ができず、主戦の奥川恭伸投手(2年)は「(冬から春への)スムーズな移行に苦労した」という。 今年は1月25日の出場校決定後、5回以上はグラウンド練習ができている。投手にとっては環境に左右されない室内練習場に加え、風で球が思ったところにいかない屋外での投球練習も貴重な経験となっている。奥川投手は「春には外の環境にしっかり慣れることができる」とみている。 恵まれた天候も味方に、大舞台へのカウントダウンが始まった。【岩壁峻】