AC版『沙羅曼蛇』が稼動開始。「マルチプル」の空耳が話題になりがち。名作『グラディウス』の続編で、縦にも横にもスクロールして驚かされた【今日は何の日?】
※本記事は、2023年7月4日にアップした記事を再編集したものです。 細緻に描き込まれた、当時最高峰のグラフィックに痺れた 【記事の画像(5枚)を見る】 いまから38年前の1986年(昭和61年)7月4日は、アーケード版『沙羅曼蛇』が稼動を開始した日。 『沙羅曼蛇』はコナミ(当時)から発売されたアーケード用のシューティングゲーム。前年1985年発売の『グラディウス』の続編として登場しているが、後に同シリーズとは別に『沙羅曼蛇』シリーズとしての続編も発売された。『グラディウス』と並び称されるシューティングゲームの名作で、当時のゲームセンターを大いに盛り上げてくれた1本。BGMも秀逸で、筆者はカセットテープのサントラを購入していまだ所持しているほどだ。 こちらはカセットではなくLPレコード盤のサントラ。ででお(ファミ通編集者)の私物。 プレイヤーは超時空戦闘機に乗り込み、侵略を続けるバクテリアン星団の精鋭戦隊“サラマンダ”に戦いを挑んでいくといったストーリー。本作はふたり同時プレイが可能となっていて1P側がビックバイパー、2P側がロードブリティッシュを操作する。ビックバイパーは『グラディウス』シリーズの自機としておなじみの機体で、ロードブリティッシュはサラマンダ軍に侵攻された惑星ラティスの王子と同名の機体という設定だ。 『沙羅曼蛇』でいちばん目を引くのは、やはり当時としては最高峰のグラフィックではないだろうか。前作『グラディウス』も凄かったが、本作ではさらに細緻に描き込まれ磨きがかかっていた。細胞のようなエリアや無数の隕石群が飛び交うエリアなど全部で6つのステージがあるが、なかでも印象深いのは一面が炎に包まれた3つ目のステージ。炎をまとった龍が立ち昇ったかのようなプロミネンスの美しさに思わず見惚れてしまった人も少なくないはずだ。脳みそみたいな生物兵器や触手を伸ばした宇宙巡洋艦など、多種多様なボス戦も見どころのひとつだった。 横スクロールシューティングと思いきや、突如として縦スクロールに切り替わる仕掛けもかなり斬新。初見のときは誰もが驚かされたはず。スクロールスピードも速めだったので、戦闘機を操っているという感覚もなかなかのものだった。 パワーアップ方式は『グラディウス』と異なり、“スピードアップ”や“ミサイル”などのパワーユニットを取得するだけで強化される仕組みに変更されている。花形はやはり“レーザー”と“リップルレーザー”で、筆者などはこれを撃ちたくてゲームをしていたと言っても過言ではない。貫通力のある長い縞模様のレーザーはドリルみたいでかっこよく、リング状に広がるリップルレーザーは敵を漏らさず撃破していくのが気分最高だった。当時の家庭用ゲーム機では長いレーザーの表現が不可能だったので、ゲームセンターで遊ぶ際はそちらを選びがちだったかもしれない。 なお、本作をアレンジした『ライフフォース』(同名タイトルの海外版『沙羅曼蛇』ではなく国内で発売されたもの)は『グラディウス』と同じパワーアップカプセル方式となっている。 さらに余談だが、パワーアップ時の音声を口真似して「スピーダッ(スピードアップ)」や「ミッソー(ミサイル)」、「モータポー(マルチプル)」と言っていたゲーマーは多かったのではないだろうか。そんな楽しみかたもアーケード版ならではだ。 現在、本作単品で遊びたいならプレイステーション4やNintendo Switchで配信されている『アーケードアーカイブス』がおすすめ。Xbox OneやSteamのユーザーなら『アーケードクラシックス アニバーサリーコレクション』の収録ゲームの1本として遊べる。こちらはプレイステーション4やNintendo Switchでもプレイ可能だ。 ※画面は『アーケードクラシックス アニバーサリーコレクション』のものです。