新型レクサスIS500はクルマ好きの頭を真っ白にする魔力を備えた1台だった!!! 今や希少な5.0リッターV8の魅力に迫る
今やごくわずかしかない大排気量ガソリン自然吸気エンジン搭載のレクサス「IS500」の存在価値を、サトータケシが考えた! 【写真を見る】新型IS500の細部を徹底チェック!!!
競争率は10倍以上!
ドライブモードを“スポーツ+”にセットし、アクセルペダルを踏み込む。3000rpmあたりから盤面を駆け上がる回転計の針のスピードが加速、同時に澄み渡った乾いた快音が鼓膜を震わせる。4000rpmあたりからアクセル操作に対するレスポンスが電光石火の素早さになり、5000rpmから上はもう天国か極楽。出てくる言葉は「チョー気持ちイイ」と、「なんも言えねぇ」。 レクサス・ブランドで最もコンパクトな4ドアセダン、レクサスISのボンネットに排気量5.0リッターのV型8気筒エンジンを押し込んだこのクルマは、クルマ好きの頭を真っ白にする魔力を備えている。IS500のハンドルを握っているあいだは、“地球の沸騰”や“化石燃料の奪い合い”といった社会課題が頭の中からすっかり消え去ってしまう。 ただ、背筋がぞくぞくするような快音と加速感に身を委ねていると、生きる力が湧いてくる。今日も明日もがんばろうと思える。 V8エンジンは、いまや希少となった自然吸気(NA)。昨今のハイパフォーマンス車で常識となった「エンジン音を心地よく響かせるスピーカー」は備わっていないという。すなわち、化学調味料を使わない素材の味で勝負しているわけで、それができるのはNAだからだろう。 ぶっちゃけ、タイムを測ったらターボを装着するライバルのほうがはるかに速いものの、われわれクルマ好きにとっては、タイムより心地よさのほうが重要であることは言うまでもない。 試乗したのは、レクサスIS500“F SPORT Performance First Edition”という500台限定の限定車。抽選に申し込んだユーザーは6000名を超えたというから、競争率は10倍以上ということで、この狭き門をくぐって購入権をゲットしたユーザーは、ホントにラッキーだ。これからの時代、大排気量のV8自然吸気エンジンが新規で開発される可能性はほとんどないわけで、大きなお世話ですが、大事に、大事に乗り続けてください。