訪問介護の基本報酬引き下げ 政府の失策と介護難民続出の未来
淑徳大学総合福祉学部の結城康博教授は毎日新聞政治プレミアの取材に応じた。 今年度の介護報酬改定で、政府が訪問介護の基本報酬を引き下げたことについて、「政策的な失敗です」と語った。 【写真】要介護でも快適に過ごすには 85歳男性が成功した自宅リフォーム 結城氏はケアマネジャーの経験もある。「2035年に団塊の世代が85歳以上になります。85歳以上になると、介護予防に励んでも年齢には勝てません。現在はまだ85歳以上の人数は少ないのですが、団塊世代はもとの人数が多いため、これからの10年は要介護者が急速に増えます。このままでは介護難民が続出します」と言う。 そのうえで、訪問介護の基本報酬引き下げについて、「政策的な失策です。政府が掲げてきた地域包括ケアシステムは、在宅介護を基本として、サ高住や施設を利用するものです。引き下げはその理念に反します。がんばって地域を支えているヘルパーが一番、困ります」と語った。