「先送りできない課題に」福岡県新年度予算案に2兆1321億円 福岡市は過去最大の1兆825億円
福岡県と福岡市が、新年度予算案の概要を発表しました。福岡県は、不登校や災害対応など先送りできない課題に、福岡市は福祉や子育て政策を目玉予算として打ち出しました。 【写真で見る】福岡県と福岡市が新年度予算案の概要を発表
全国初の不登校特例校に1225万円
福岡県 服部誠太郎知事 「私たちが直面している先送りできない課題、このことに真正面から取り組んでまいります」 福岡県の新年度予算案は、一般会計で2兆1321億円と前の年度に比べて654億円減少しています。新規事業として産後ケアの利用者負担を軽減する県独自の補助金制度の創設に1億2000万円あまり、不登校の生徒が特別なカリキュラムで学べる特例校を全国で初めて、県立高校に設置する費用として1225万円を計上しています。 このほか、ドローンやAIを活用して土木施設の点検を行うなど災害への対応を強化するための費用として約2億6000万円も盛り込んでいます。
福岡市は一般会計総額が過去最大
一方、福岡市の新年度予算案は、一般会計の総額が過去最大となる1兆825億円となりました。 福岡市 高島宗一郎市長 「新年度予算案のテーマは『強くてやさしい福岡』」 保健福祉費が前年度から240億円増えたほか、こども育成費が169億円増、教育費が138億円増など福祉や子育て政策に手厚い予算配分となっています。
「こども誰でも通園制度」に4億8511万円
親が就労していなくても保育所に預けられる「こども誰でも通園制度」。福岡市は国の基準の4倍となる月40時間利用できる独自の事業を始めます。利用料は1時間あたり300円を想定し、市内30施設で1000人程度の利用枠を確保する予定です。また、障害のある子供を育てる保護者の就労を支援するため、今年夏頃から児童発達支援センターで午後3時から午後6時まで一時預かりを開始します。(予算案7467万円) 福岡市 高島宗一郎市長 「地下鉄七隈線が博多駅まで延伸して混雑し始めたという話もある中で4編成の車両を新たにつくって混雑緩和につなげていきたい」
地下鉄七隈線の運行本数増加に約62億円
また、地下鉄七隈線の混雑緩和に向けて新たに4編成=16両を導入する費用として62億7400万円を計上しました。2026年度から2027年度の投入を目指し、1時間あたりの運行本数を現在の17本から21本に増やす計画です。
市税収入は過去最高の3706億円
一方、歳入では人口増加や固定資産税における土地評価額の上昇などで、市税収入が過去最高となる3706億円となっています。福岡市の新年度予算案は2月26日に市議会に提案されます。