W杯は“48チーム出場”に拡大で面白くなる? 荒れたアジアカップ、AFCONは強豪との差が詰まったことを示している
各大陸の勢力図が変わり始めているのかもしれない
コートジボワールで開催されたアフリカ・ネイションズカップ、カタールで開催されたアジアカップは荒れに荒れた。どちらも開催国が優勝する形で幕を閉じたが、ファイナルまでの戦いには多くの番狂わせがあったのだ。 アフリカ・ネイションズカップはナミビア、モーリタニアが同国初となる決勝トーナメントに進出しており、カーボベルデ、アンゴラがベスト8に入ったこともサプライズだった。ワールドカップ・カタール大会に出場していたチュニジア、セネガル、カメルーン、モロッコ、ガーナはすべてベスト16までで姿を消すことになり、優勝したコートジボワールもグループステージで赤道ギニアに0-4で敗れるなど波乱だらけの大会だった。 アジアカップも同じで、優勝候補と考えられてきた日本代表や韓国代表も納得いく戦いを見せられなかった。印象的だったのは中東勢で、準優勝のヨルダン、日本を撃破したイラク、初のベスト16入りを果たしたパレスチナ、初のベスト8入りを果たしたタジキスタンなど、当初の予想とは異なる大会となっていた。 もちろんチームによって事情は異なるだろう。日本のように欧州組が多いチームは、シーズン途中ということもあってコンディション調整など難しい部分もあったはず。 しかし、アフリカもアジアもレベルが上がってきているのは確かだ。エリートとされてきたチームと、格下と考えられてきたチームの差が縮まってきているのだ。2026年のワールドカップからは出場国数が32から48へと拡大する。当初は競争力が低下して面白くなくなるとの不安もあったが、アフリカとアジアの戦いで見え方は変わってきたのではないか。 今夏にはEURO2024、コパ・アメリカが予定されているが、こちらも荒れる可能性がある。勢力図がゆっくりと変わっている最中と考えることもでき、サッカー界はまだまだ面白くなりそうだ。
構成/ザ・ワールド編集部