小学生が市議会に陳情「自由に遊べる場所作って」議論の結果は?
「子どもが自由に遊べる場所を作ってほしい」と、横須賀市議会に小学生の男子児童らから陳情があった。保護者に教わりながら子どもたちが書いたもので、「駐車場や公園でキャスターボードに乗って遊んでいたら、管理人に『車に傷が付いたら大変』『散歩する人のじゃまになる』と注意された」と説明。陳情は正式に受理され、6月13日の都市整備常任委員会で議論された。 委員会で読み上げられた陳情趣旨の全文は以下の通り。 「2016年5月21日に、ぼくたちは友だち5人で、キャスターボードに乗って遊んでいました。歩道では危ないからだめ、と親に禁止されているので、北下浦海岸通り第2駐車場で遊んでいたら、管理人のおじさんに、車にぶつかって傷付いたら大変だからだめと言われました。そこで、本当はアスファルトの場所のほうがやりやすいのですが、仕方なく、タイルでぼこぼこしている野比海岸公園で遊んでいたら、ランニングや散歩する人もいて邪魔になるからだめ、と言われました。うみかぜ公園には、スケートボードエリアもあってのびのびできるのですが、ぼくたちが自分で行くことができず、親に毎日連れて行ってもらうわけにもいきません。 公園でボール遊びをしようとしても、サッカーも野球もドッジボールもだめな公園が多いです。みんなで楽しくはしゃいでいると、うるさいと怒られることもあります。遊具はなくてもいいんです。なにもなくていいから、自由に遊べる空き地がほしい。学校の校庭も、放課後いつも遊べるわけではありません。あれもだめ、これもだめで、仕方がないので、家で友だちとゲームで遊ぶことが多くなります。でも、お父さんやお母さんからは、ゲームばっかりしてちゃだめとしかられます。じゃあ、ぼくたちはどこで遊べばいいのでしょうか。ぼくたちに、遊び場を作ってください。」 保護者の補足では、「横須賀市の公園面積は県内1位としているが、ボール遊び禁止などのルールが多く満足感につながっていない」と説明。公園内をゾーニングするか、公園別に用途を分けることにより、子どもたちがもっと自由に遊べる場所を作ることを求めた。 十分な広さがあり遊具エリアと広場エリアに分けられている公園は市内では限られており、またほとんどの公園でバットの使用は禁止、ボール遊びも多くの場合禁止されている現状がある。市側は「学校や自治会と調整してほかの生徒や地域住民の意見を聴きたい」と答弁した。 同市では、1998年に子どもたちも含む市民のべ260人が参加したワークショップで出た意見を取り入れて造った「浦上台トンネルの上公園」や、同じく地元市民のワークショップで計画を立案して2012年にオープンした「くりはまみんなの公園」の事例もあるが、委員会では「子どもがのびのび遊べる場所ということで設置された公園に、花壇などが設置されてどんどん遊べるスペースが少なくなっているケースもある。大人が良いだろうと思うことと、子どもがやりたいこととのギャップが出てきているのでは」との意見も出た。 陳情は自由民主党のみ「いろんな子どもたちもいると思うので、地域の意見を聞きながらやっていただきたい。すぐにでもというのは難しいのでは」と趣旨不了承。議会としての考えを示すには至らず「審査終了」となった。 市政について要望する陳情は、年齢制限なく誰でも提出できる。3月、6月、9月、12月の年4回開催される市議会定例会の各回の締め切り日までに提出されたものは、その定例会中に審査される。 (齊藤真菜)