私たちの書、甲子園へ 甲西高書道部員、プラカード揮毫 湖南 /滋賀
<センバツ2020> 兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で3月19日にある「第92回選抜高校野球大会」(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)の開会式で、入場行進に使われるプラカードの校名3校分を、県立甲西高(湖南市)の書道部員が揮毫(きごう)した。甲西高野球部は1985年夏の甲子園で4強入りし「ミラクル甲西」と呼ばれた古豪。書道部顧問の冨永えり子教諭(43)は「甲子園に縁を感じます」と喜んだ。【菅健吾】 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 開会式の入場行進では大会に出場する32校と、前大会の優勝校、準優勝校の計34校のプラカードが使われる。校名の揮毫は、前年の国際高校生選抜書展(書の甲子園)の団体の部で、地区優勝した全国11校が担当。近畿地区は甲西高と兵庫県立芦屋高の2校が優勝し、近畿地区の出場6校を分担する。甲西高は、天理▽智弁学園(以上、奈良)▽智弁和歌山(和歌山)――を担当した。 2年生の書道部員12人を3グループに分け、全員が自分の担当する校名を楷書の「造像記(ぞうぞうき)」という書風で揮毫。部員全35人で投票し、プラカードに採用される作品を決めた。投票の結果、天理は金谷(かなや)琴音さん(17)、智弁学園は志磨村(しまむら)凜さん(17)、智弁和歌山は大治(おおじ)結衣さん(17)の作品が選ばれた。 天理の金谷さんは隷書(れいしょ)を書くことが多く、造像記は慣れない書風だったが、下からの払いなどを楽しく書けたといい「天理の人がプラカードを持った時、かっこいいと思えるようにお手本を見ずに書いた。勝ち進んでほしい」と願った。 智弁学園を担当する志磨村さんは元々、高校野球が好きで、智弁学園の試合も何度も見たという。「文字一つ一つの大きさが違うので統一できるよう工夫し、払いの入りで、かっこよさを出した。優勝してほしいと思いを込めて書いた」と話す。 智弁和歌山を書いた大治さんは「5文字と長くて大変だったが、何度も練習後、5枚並べて一気に書き上げた。真ん中にぎゅっと寄せて力強さを表現した。強いチームの字を書けてうれしい」と語った。 冨永教諭は「とても光栄。部員全員を連れて開会式を見に行きたい」と話した。揮毫された文字はデジタルデータ化され、プラカードに印字される。