釧路航空基地、ヘリコプター1機増強 海難に備え待機態勢確立
第1管区海上保安本部釧路航空基地(中村至宏基地長)は8日、函館航空基地からの配属替えでヘリコプター「シコルスキー76D」型1機を増強し、同基地のヘリは3機になった。常に1機を海難に備え、待機させられる態勢を確立した。 2022年4月の知床観光船沈没事故を受けた北海道東部海域における救助・救急体制強化の一環。事故当時同基地には「シコルスキー76C」型2機が配属されていたが、1機は整備中、もう1機は別の任務で出動しており、ヘリの現場到着が遅れた。 新たに配属されたシコルスキー76D型は全長15・97㍍、全幅4・41㍍で14人乗り。海保が運用するシコルスキー76型シリーズの中では最新機種で、76C型より高出力なエンジンを搭載し、離陸時に積み込める燃料や資機材の重さの制限が緩和された。このほか、コクピットの計器がデジタル化されたり、回転翼の素材が複合材料になるなど、全体的に性能が向上している。従来機同様、赤外線捜索監視装置や要救助者を吊り上げるホイストも備える。76D型の配備は同基地では初めて。 配属替えに伴い同基地では、1995年から運用し総飛行時間1万966時間超に上った76C型1機は解役となり、巡視船そうやと函館航空基地から各1機が転属配備となった。そうやには76D型1機が新たに配備される。 23年4月の同基地への機動救難士の配置、同年12月の紋別海上保安部へのヘリ甲板付大型巡視船配備と合わせ、同基地における体制強化に一区切りがついた。中村基地長は「地域の期待に応え、海の安心・安全につながるよう、職員一丸となって保安業務に務める」と話していた。
釧路新聞