新首相・石破茂「早くも不協和音」「短命政権」の未来が見えてきた――
「嘘」によって、早くも新政権には不協和音
「実は石破さんも、本心では衆院は早期解散すべきだと考えていました。『世界情勢が読めない中で解散すべきではない』との発言は、総裁選対策だったんです。 【画像】面影が……石破茂・新首相の少年時代がすごい とはいえ、選挙期間中に展開した自説を簡単に引っ込めた挙げ句、10月27日投開票で総選挙に打って出るという変節ぶりに、周囲は困惑している。党員から『嘘つき』と言われても仕方ない。ある意味で空気が読めないところが持ち味だったのに、総裁になったとたん、党利最優先の普通の政治家になってしまった。最初からこの調子では先が思いやられます」 戸惑った様子で打ち明けるのは、自民党のある中堅議員だ。10月1日の臨時国会で首班指名を受け、石破茂総裁(67)が首相に就任した。 だが、いきなりの「変節」と「嘘」によって、早くも新政権には不協和音が生じている。元自民党職員で政治アナリストの伊藤惇夫氏が語る。 「彼は一回生の時から、政治とカネの問題について苦言を呈していた。『政治にこれだけカネがかかるのはおかしい』と’88年のリクルート事件を受け、ユートピア政治研究会を立ち上げて以来、この姿勢を貫いていました。それがいざ総裁選に入ると、裏金議員の処分について明言を避けるなど、トーンダウンしてしまった。石破さんが政治とカネの問題に終止符を打ってくれると国民は期待していただけに、失望されるのも当然です」 自民党内の主要派閥が解消されて初めて行われた総裁選で選出された総裁だけに、大胆な変革を望む声が高まっていた。だが、人事からその意図は感じられない。 「裏金議員の入閣こそないですが、菅義偉副総裁(75)に近い三原じゅん子氏(60)や坂井学氏(59)を入閣させ、菅さんの顔色を窺っていることが透けて見える。民間登用はなく、独自色も出していない。百歩譲って自分を支えてきた議員への論功人事は理解できますが、忖度の対象が前政権の麻生太郎さん(84)から菅さんになっただけで、長老に気を遣っていることを印象付けました」(政治ジャーナリストの角谷浩一氏) ◆現実になろうとしている「短命政権」 石破氏の政治人生は「不義理」とともにあった。’93年に宮澤政権への不信任決議案に賛成し、自民党を離党。’08~’09年の麻生政権では農水相として入閣していたが、麻生おろしを先導した。これらの言動が怒りを買い、「後ろから弾を撃つ」と酷評され、非主流派としての立ち位置を余儀なくされた。前出の伊藤氏は「この経歴が政権運営をより困難にさせる」と警鐘を鳴らす。 「岸田政権における木原誠二元官房副長官(54)のような、石破首相のために矢面に立っていいと考えるような人材が、議員にも官僚にもいない。腹心も友達もいないから誰にも相談できない。こうなると、政権は不安定になりやすい」 当の石破氏本人は、8月に行われたある会合でこう断言していたという。 「まさか自分が首相になるとは思っていなかったのでしょう。『進次郎だろうが高市だろうが、誰が次の首相になっても、来年夏の参院選で大負けする。その後に辞任か総裁おろしが始まって、短命政権になるだろうな』とまるで評論家のように語っていました」(自民党関係者) 新首相自身が他人事のように発していた「短命政権」という言葉がまさに今、現実になろうとしている――。 『FRIDAY』2024年10月18・25日合併号より
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