《ブラジル記者コラム》 恩赦委員会が日本移民迫害への政府謝罪を7月25日に再審議決定
事件の現場となった日本人会会館へツアー
清和友の会(中沢宏一会長)ではサントス強制立ち退き事件を身近に感じるために、6月8日にサントス日本人会会館へのバスツアーを行う。参加希望者への参加呼びかけは、後日改めて記事にする予定。 この会館は、1943年7月8日の強制立ち退きで連邦政府に強制収容され、その後、陸軍が長年占拠・利用してきた建物で、地元日本人会がコツコツと返還運動を続けてきた。移民100周年を目前にした2004年に日本人会が1万人署名を行い(11)、2006年に陸軍がようやく返還を承認(12)して建物の使用権が日本人会に渡されて日本語学校として利用を開始した。 2008年の日本移民100周年で皇太子さま(現天皇陛下)がご来伯された際にわざわざお立ち寄りになり(13)、それもあって日本移民110周年の2018年に地権も完全返還(14)された。まさに、サントス強制立ち退き事件を象徴する建物だ。 ツアー当日は母のお腹で5カ月だった時に両親と姉が強制立ち退きの目に遭った宮村秀光さんも同行して逸話を語るほか、現地でも返還運動に奔走した中井定男さんが説明をするという。中井さんの祖父、中井茂次郎さんはサントス日伯漁業組合創立者で、1952年に日会を復活させて初代会長に就任、当初から返還運動を進めてきた。 ドナ・マルガリーダが創立した聖母婦人会は7月14日(日)8時からサントス強制立ち退き者の追悼ミサをサンゴンサーロ教会(Praça Dr. João Mendes, 108)で行う予定。同聖母婦人会はドナ・マルガリーダの列聖運動も進めており、連邦政府の初めての謝罪が実現すれば、「ドナ・マルガリーダの奇跡」といえる出来事だ。 奥原さんは「日本移民はスパイの汚名を着せられた歴史を、そのままにしておいてはいけない。大戦中に資産凍結をした大統領令第4166号は今も残っている。今も同じことが起きる可能性がある。過去の反省に立って、ブラジルの未来を変えるために、我々は今声をあげないといけない。ぜひ7月23日にみんなでブラジリアに行きましょう」と呼びかけている。(深) (1)https://www.brasilnippou.com/2024/240326-column.html (2)https://www1.folha.uol.com.br/colunas/painel/2024/05/comissao-de-anistia-fara-reparacao-coletiva-a-japoneses-mantidos-em-campo-de-concentracao.shtml (3)https://www.brasilnippou.com/2024/240319-column.html (4)https://www.nikkeyshimbun.jp/2021/210928-column.html (5)https://www.brasilnippou.com/2022/220628-21colonia.html (6)https://okinawa-santos.jp/ (7)https://www.nikkeyshimbun.jp/page/4?s=%E8%A1%A8%E7%8F%BE%E3%81%AE%E8%87%AA%E7%94%B1%E3%81%A8%E6%88%A6%E4%B8%AD%E3%81%AE%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%9E (8)https://www.youtube.com/watch?v=kbaehRBjQ98 (9)https://www.nikkeyshimbun.jp/?s=%E5%B3%B6%E6%B5%81%E3%81%97%E7%89%A9%E8%AA%9E%EF%BC%9D%E7%9B%A3%E7%8D%84%E5%B3%B6%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%BF%E6%8A%91%E7%95%99%E8%A8%98 (10)https://www.nikkeyshimbun.jp/2018/180216-71colonia.html (11)https://www.nikkeyshimbun.jp/2004/040131-61colonia.html (12)https://www.nikkeyshimbun.jp/2006/060506-72colonia.html (13)https://www.nikkeyshimbun.jp/2008/080626-61colonia.html (14)https://www.nikkeyshimbun.jp/2018/180712-61colonia.html