【漫画】中学の同級生に再会し、思い出したほろ苦い記憶…ファミレスが舞台の青春短編に「感動してしまった」「短編でこの深み…凄い」の声
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、草原うみさんがX(旧Twitter)上に投稿した漫画「ティラミスのパフェ」だ。3月8日時点で6000以上のいいねがつく反響が集まり、話題となっている。今回は作者の草原うみさんに制作の背景を伺った。 【漫画】いじめられっ子との再会で自己嫌悪…ほろ苦いティラミスのようなストーリーに「会社で涙ぐんでしまった」「泣いた」と反響 ■ほろ苦いティラミスのような思い出 主人公の平田フミカは、友人のミキとミキの高校の先輩・松下さんとファミレスに向かう。松下さんがインスタでフミカを見て、ミキにこの場をセッティングするよう頼んでいたのだが、実際に会うと松下さんは微妙な反応を見せた。 フミカは不思議に思っていながらも隣の席に中学の同級生・鹿野くんが座っていることに気付く。 中学生の頃、クラスメイトからイジめられていた鹿野くんは、給食をよく食べる子だった。ある日、クラスメイトの悪戯によって牛乳がかかったズボンを一生懸命拭く鹿野くん。フミカは勇気を出して「牛乳かかった服は熱湯かけた方がいいよ」と声をかけた。そんな時にお腹がなる鹿野くん。フミカは自分のカバンからコッペパンを取り出し、鹿野くんに差し出すと「いらない」と涙を溜めて断られた。そんな当時のことを思い出すフミカ。 フミカはトイレに立ち、『なんであんな余計なこと……』と鹿野くんのことで自己嫌悪でいっぱいになる。席に戻ろうとすると、松下さんとミキの「だってインスタではもっと可愛く見えたんだもん」と言う話し声が聞こえてくる。思わずドリンクバーに逃げるフミカに「平田さん」とフミカの名前を呼ぶ声が。 その声の正体は鹿野くんだった……。 実際に漫画を読んだ人からは「泣いた……」「素敵すぎる大好き」「すごく、良い漫画を読めた」「とても丁寧なお話でした」「感動してしまった…」「心がポカポカする」「会社で涙ぐんでしまった」「短編でこの深み…凄い」と感動したという声が多くあがっている。 今回は、漫画の作者・草原うみさんに作品ができあがるまでの話を伺った。 ■作者・草原うみさんの創作背景とこだわり ――「ティラミスのパフェ」を創作したきっかけや理由があればお教えください。 2020年に友人と3人で、ファミリーレストランをテーマにした合同誌を作ることになり、その際に描いた漫画です。幅広い年代・属性の人が訪れるお店で交わる人間模様を描きたいと思いました。「どうしてるのかな」とずっと気になっていた人をファミレスで見かける、というエピソードは、もっと前からイメージの切れ端としてぼんやり思い浮かべていました。 ――タイトルにもある『ティラミスのパフェ』を題材に選ばれた理由などがあればお教えください。 ファミリーレストランが大きなテーマとしてあったので、何かメニューの一つを題材にしたいと思いました。 ティラミスはほろ苦くて大人になってこそ本格的に楽しめるという一面もあり、パフェはいろんな要素が詰まっていて特別なご褒美感のあるデザート…というのはやや後付けで、正確な理由は忘れてしまったのですが、結果的にメニューに象徴されるような物語になった気がしてティラミスのパフェにして良かったなと思っています。 ――「ティラミスのパフェ」を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。 こだわった点とは違うかもしれませんが、実際に空気感を味わってイメージを膨らませようと思い、都内のファミレスに行ってドリアを食べ、一人で小一時間過ごして帰ってきてから取り掛かりました。その時「ここに来て単品でポテト頼むのってどんな場合かな」と考えたことを取り入れています。 見てほしいポイントは…人(この場合は女友達)が友人のために怒る、という心の動きは好きなので、そこでしょうか。全体的には、「デートにファミレス」というトピックを含む人間模様を見て、それぞれにご自身の感じることを大切にしていただけたら、と思います。 ――普段漫画を描く際にどんなところから着想を得ることが多いですか? ある情景や言葉、人と人のやりとりなどのイメージ(というか妄想)がきっかけになることが多いです。そのイメージは日常の中で何かを見聞きしてその瞬間に形になっていることもあるし、ずいぶん月日が経って醸成された感じで出てくることもあります。 ――草原うみさんの今後の展望や目標をお教えください。 現在、月刊!スピリッツで『やがて、ひとつの音になれ』という漫画を連載しています。ピアノを手放してしまった元天才ピアノ少年と、幼馴染の人気ピアノ系YouTuberのお話です。 また、今回取り上げていただいた『ティラミスのパフェ』を含む短編集が6月に出版される予定です。元々は2023年にアメリカで英語版の短編集として出版されたのですが、そこからコミックメディア「路草」で2~3編を公開していただくことになり、それを今回たくさんの人に読んでいただいたことで日本語版の出版につながりました。 この物語が必要な人に届けられるように…というのが直近の展望・目標です。SNSでお知らせしますので、ご興味ある方はチェックしていただけたらと思います。 ――最後に草原うみさんの作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。 読んでくださってありがとうございます!お元気でいてください。 今苦しい方も大丈夫になる日が来ますので、漫画でも読んで、またはその時間と同じくらい、適当に安穏とお過ごしください。また読んでくださったらとても嬉しいです。
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