坂本花織、全日本4連覇も残った悔い「守りに入った」 中野園子コーチは五輪に向け「あと1年頑張るのにはいい宿題」【フィギュア】
◇22日 フィギュアスケート 全日本選手権最終日(大阪府門真市・東和薬品ラクタブドーム) 女子はフリーを行い、3年連続世界女王の坂本花織(24)=シスメックス=が合計228・68点で4年連続5度目の優勝を果たした。大会4連覇は2014~17年の宮原知子以来で、来年3月に米ボストンで行われる世界選手権の代表にも決定した。ショートプログラム(SP)1位で臨んだフリーも1位の149・76点をマークした。 やはり坂本は負けなかった。「連覇ができた。今はまずホッとしている」。キス・アンド・クライでは島田らライバルの得点を知らなかったといい「最後の数字」を見て初めて満開の笑顔が出た。 偉業達成にも「去年(3連覇)ほどの達成感はあまりない感じがする」。その理由は、グランプリ(GP)ファイナルで3位に終わった時に必要と気付いた強気の姿勢を保ち、かつ4連覇の重圧をうまくかわす考え方があったからだ。「4連覇を主に目指していたわけではない。でも、優勝はしたい」。渇望と自然体の両方をうまくとるバランス感覚が光った。 残った悔いは「守りに入ってしまった」こと。特に悔やんだのは「得点源」と語ったフリップ―トーループの連続3回転ジャンプを予定していた場面だ。「オーバーターンしてしまって、一瞬3回転にするか2回転にするかすごく迷った」。後のジャンプへの影響を避けるため、2本目のトーループを2回転へ落とす決断を下した。 「こけたら元も子もない、という考えが守りに入っていた。多分練習だったら3回転はダメ元でつけている」。とっさに出た守りを悔やんだが、終盤の3回転フリップを3回転ルッツ―2回転トーループとしてGOE(出来栄え点)を加点に持っていくなど、底力を見せた。 中野園子コーチは「五輪でいい演技ができるように、あと1年頑張るのにはいい宿題」と、坂本をさらに鍛えていくと言明。クリスマスの予定を聞かれた坂本は「今のスケジュールを見る限り練習が普通に入っている。朝練がないだけ、ちょっとゆっくり寝られる」。喜びもそこそこに、世界選手権4連覇、その先のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪へ突き進む。
中日スポーツ