線香は立てるべきか、寝かすべきか…カウンターの坊さんは諭した。「自分の作法を信じなさい」 鹿児島市で坊主バー盛況
僧侶とお酒を楽しむ「坊主バー」が、鹿児島市山之口町の「Bar The B」であった。袈裟(けさ)と法衣(ほうえ)に身を包んだ僧侶7人が、カウンターやテーブル席に付いて接客。聞こえてきたのは、葬式や法事に参列した際のマナーや仏教用語の解説で、一風変わった会話が飛び交っていた。 【写真】(別カット)坊主バーで僧侶(左)と語り合う客=鹿児島市山之口町
お寺を身近に感じてもらうのが狙い。県内浄土真宗6宗派の寺院でつくる「真宗教団連合鹿児島支部」としては初の試みで、若手僧侶らが参加した。6月25日にあり、午後6時からと同7時半からの各90分の2部制で、計30人の参加者が交流を楽しんだ。 「葬式に行った時、線香を寝かせるべきか立てるべきか迷う」という相談も。僧侶は「自身が信じる宗教や宗派の作法でいい。気持ちが大切」と助言した。穏やかな雰囲気が続くかと思えば、陽気な余興もスタート。「坊主がびょうぶに上手に坊主の絵を描いた」の早口言葉に合わせて僧侶が絵描きを披露するなど、不思議な空間に包まれた。 「この日のために丸刈りにした」と話す鴨池新町の船迫龍郎さん(67)は、「宗教の話は触れづらいこともある。フランクに話せたことで、他力本願の正確な意味(仏の慈悲によって救済されること)など新たな知識を得られた」。 西本願寺鹿児島別院の僧侶、山崎弘純さん(34)は「生死に関わることなど、坊主バーならではの話ができた。お坊さんもお酒を飲み、冗談を言う普通の人だと感じてもらえたはず」と好感触だった。
今後は8月20日、10月8日と来年2月25日、同店で開く。1日2部制、各回90分定員15人で、飲み放題2500円を予定。問い合わせは同店の原田祐子さん=090(8915)2503。
南日本新聞 | 鹿児島