“ラストマッチ”にはしたくない 上田桃子は最後まで「泥くさく」
◇国内女子◇大王製紙エリエールレディスオープン 事前(13日)◇エリエールGC松山(愛媛県)◇6575yd(パー71) 【画像】大ギャラリーが見守る 今季限りでツアーの第一線を退く上田桃子にとって、最後までしびれる戦いになる。フィールドが今季ツアー優勝者、メルセデスランキング上位者らに絞られる次週のシーズン最終戦「JLPGAツアー選手権リコーカップ」(宮崎CC)の出場権を確保できておらず、今週の結果に委ねることになった。 「そう(リコーカップに行ける位置に)なるように練習してきたんですけど、なかなか調子が上がらないので、ちょっと『うーん…』とは思っていますけど…」。ゴルフをとことん突き詰めようとする姿勢は、選手としてひとつの区切りをつけると決めてからも変わらない。最後になるかもしれない試合を楽しみたいという気持ちとも無縁。「『楽しみたい』って思ってやったことないので。今も、最後だから楽しみたいっていう気持ちもないんです」
意向を表明して最初の試合となった前週「伊藤園レディス」では予選落ちを喫した。「自分のイメージと、実際打った時が一致しない。感覚が出せていない」。試合の中でもタイミングを見て試せる部分は試すことで課題を絞り込み、技術面をブラッシュアップして長いキャリアを歩んできた。ただ、カウントダウンが始まってからは、そうもいかない。 目の前の一打に100%を、ともすれば120%を求めたくなる。「自分の持っているものを全部出し切って、何とか来週(リコーカップ)につなげたいっていう気持ちなので。“遊び”というか“余白”をなかなか持てない分、余計に『違う、違う』ってなっていって、考えることが増えていっているのかな」と明かす。 メルセデスランク46位で、リコーカップ出場のボーダーラインとなる37位リ・ハナ(韓国)とは70.21pt差。逆転には単独8位(70.5pt)レベルの上位フィニッシュが求められる。後輩たちに見せたい姿を問われ、苦笑しながら言った。「そんな余裕があったらいいんですけど、自分のことで必死すぎて…。でも、たぶん“泥くさく”しかできない。一生懸命やるっていうことは、見せられるのかな」。愚直な背中で全てを語って戦い抜く。(愛媛県松山市/亀山泰宏)