馬場ふみか×佐藤瑠雅インタビュー 2人が思う“心を守るため”の生きる速度
物質的には豊かで恵まれた時代を生きているはずなのに、心は満たされず、むしろ何かに急かされているような息苦しさに疲れていく。今、「スローライフ」や「丁寧な暮らし」という言葉にこれほど惹かれてしまうのは、効率や生産性ばかりを求められる競争社会で、大切な何かを見失っているような気持ちになるからかもしれない。ならば、芸能界という競争のど真ん中にいる人たちはどうやって心のバランスを保っているのだろうか。 10年ぶりに東京から地元に帰ってきたヒロインが、昔懐かしい古民家で囲炉裏を囲み、おいしい料理を食べながら穏やかな時間を過ごす姿を描いたドラマ『アリスさんちの囲炉裏端』。そこには都会ではなかなか感じることのできない、ささやかな生活の彩りがある。 主人公・水瀬アリスを演じた馬場ふみかと、その幼なじみ・森山晴海を演じた佐藤瑠雅に、競争社会で自分をすり減らさずに生きる秘訣を聞いた。 【撮り下ろし多数】1月期は連続ドラマ2本に出演する馬場ふみか、『仮面ライダーギーツ』でデビューし俳優として着実に成長する佐藤瑠雅
いつも「可愛くないです」と言われてました
──今回が初共演ということですが、お二人の仲良しぶりはいかがでしょうか。 馬場:仲良しぶり…? どうですか(笑)。 佐藤:本当に優しくしていただいて、お姉さんというか、姉御って感じです。 馬場:佐藤くんは生意気です(笑)。 佐藤:え~(笑)。 馬場:でもそこがいいんですよね。壁なく、どんどん話しかけてくれるから。幼なじみという役柄的にも距離感が掴みやすかったです。 ── 一緒にやってみてお互いの可愛いところは見つかりましたか。 佐藤:よく現場で「僕のこと可愛い?」って聞いていたんですけど、いつも「可愛くないです」という答えだったので、可愛いところはそんなになかったのかもしれません(笑)。 馬場:そんなつもりはなかったですけど(笑)。 佐藤:結構塩対応でした(笑)。 馬場:佐藤くんは意外と現場で緊張していましたよね。 佐藤:オーディションとかでも「あんまり緊張してないですね」と言われるんで、「そうなんです」って返事するんですけど、内心めちゃくちゃ汗かいています。単にそれが表に出ないだけで。でもバレてましたか。さすがです。 馬場:そんな感じに見えないのに緊張してるから、そこは可愛かったです。 佐藤:馬場さんは、「そこ?」っていうところで笑うのが可愛らしいなと思いました。 馬場:え。覚えてない。 佐藤:僕がお弁当を食べてるときに、何かがツボにハマったらしくて、ずっと笑ってて。 馬場:何の記憶もない。一緒にお弁当食べたことあったっけ? 佐藤:いつも食べてたでしょ!(笑)え? ひどくないですか? 馬場:うそ(笑)。あった? 佐藤:ほら、森山家で! 馬場:森山家……? ああ、思い出した! 佐藤くんの魂が抜けてたんですよ(笑)。お弁当食べながらずっとどこかを見てて。その様子が面白くて笑っていました。 佐藤:そうなんですね。なんで笑ってるんだろうと思って。 馬場:すっごい魂抜けてたよ(笑)。 佐藤:自覚なかったです(笑)。 ──それは普段からぼーっとしているということでしょうか(笑)。 佐藤:そうですね。あんまり何を考えてるのかわからないとはよく言われます(笑)。 ──劇中登場する囲炉裏料理の数々が食欲をそそります。お二人は何がおいしかったですか。 佐藤:僕はジビエ料理ですね。2話に出てくるイノシシ肉がおいしくて。臭みがなかったです。 馬場:臭くなかったね。 佐藤:コリコリとした歯応えで。ジビエ料理を食べたことがなかったのもあって印象的でした。 馬場:たぶんみなさんが想像する囲炉裏料理ってお鍋であったり野菜を焼いたりシンプルなイメージだと思うんですけど、アリスさんのつくる囲炉裏料理は結構洋食が多めだったんですよね。パエリアだったり、ベーコンを焼いてサンドイッチにしたり、それが新鮮でおいしかったです。やっぱり囲炉裏だと炭の香りがして、また味が違うんですよね。囲炉裏を囲んで食べるという空間込みで素敵だなと思いました。 ──薪割りにも挑戦されていましたね。 馬場:撮影の前日に教えていただいたんですが、意外と割れましたね。 佐藤:上手でした。 馬場:現地の方に教えていただいたんですけど、その方の教え方が上手で。斧自体がわりと重いので、力をかけなくてもスッと振り下ろしたら綺麗に割れるんですよ。 佐藤:僕もやらせてもらったんですけど、結構一発目からサクッと割れました。