<竜星涼>“川口春奈の法則”? 大河で代役ながら“ハマり役”に 「光る君へ」異端の藤原隆家に熱視線
屋敷の前では矢に驚いた男が尻もちをつき、ちょっとした騒動に。隆家は「脅しただけだ。当ててはおらぬ」と笑みを浮かべ、伊周は相手の男が誰かを知ろうとするが、光子の兄・斉信(金田哲さん)が「院! いかがされました、院! お気を確かに、院!」と慌てて近づく様子に、隆家が矢を向けた相手が花山院(本郷奏多さん)だと認識。兄弟の顔色が変わり、ナレーションでは「長徳の変の始まりである」と語られたところで同回は終了した。
◇4年前は「麒麟がくる」で川口春奈が帰蝶役で…
竜星さんは「光る君へ」が初の大河ドラマ。演じる隆家は、道隆(井浦新さん)の次男で、父の死後、一家没落の憂き目を見るが、冷静かつ闊達(かったつ)な性格で乗りこえていく。後に大宰府に赴任し、大陸から攻めてきた刀伊(とい)と対峙(たいじ)することに……となるが、まだ先のこと。
第16回「華の影」(4月21日放送)から登場し、時の権力が兼家(段田安則さん)から長男の道隆へと受け継がれる中で、自然と注目を集めるようになった中関白家において、その異端さがいいコントラストとなり、期待通りではあるけれど、決して予定調和ではない隆家として、ドラマにスパイスを加えている。
少々空気を読めない感じの発言から漂うトラブルメーカーの匂いが、2022年度前期の連続テレビ小説(朝ドラ)「ちむどんどん」で竜星さんが演じたヒロインの兄を彷彿とさせるが、隆家がハマり役となっているのは間違いないだろう。
そもそも同役は当初、永山絢斗さんが演じることが決まっていたが、大麻取締法違反(所持)容疑で逮捕されたため、本人が出演を辞退。その後、竜星さんが代役を務めることが発表されたという経緯もあり、制作陣にとっては“災い転じて何とやら”と言ったところだろうか。
大河ドラマで代役を務め、そこで得た役がハマって人気を博したといえば、近年では2020年の「麒麟がくる」における川口春奈さんの帰蝶(当初は沢尻エリカさんに決まってた)がすぐに思い浮かぶ。
竜星さんと比べて、川口さんはさらに急を要する形で帰蝶役を引き受けた結果、これが当たりに当たり大ブレークした印象だ。奇(く)しくも、竜星さんと川口さんは「ちむどんどん」で兄・妹を演じた間柄。竜星さんも4年前の“川口春奈の法則”で、ここからさらに俳優としての評価を高めていくのか。まずは「長徳の変」の続きが描かれる、第20回「望みの先に」(5月19日放送)に注目だ。