万博開幕まで300日前 機運醸成で姫路城をライトアップ 課題は前売り券販売
2025年大阪・関西万博は17日、開幕まで300日となり、各地で機運醸成のイベントが開かれた。兵庫県姫路市では、国宝・姫路城が万博のイメージカラーである赤色と青色にライトアップされた。一方、万博を巡っては、開催費の膨張や建設遅れに厳しい目が向けられている。前売り入場券の売れ行きの鈍さも課題で、本番までの限られた時間で国内外の関心を高める必要がある。 【写真】高層ビルを懸命に上るミャクミャク 兵庫県内では、万博期間中に県全体をパビリオンに見立てて誘客する方針で、この日は、万博に向け、自治体や観光協会などで構成する協議会も開かれた。斎藤元彦知事は「今年度は万博への仕上げの1年。兵庫での取り組みを力強く推し進める」と話した。 万博は令和7年4月13日から半年間開催し、会期中に約2820万人の来場を想定。万博会場の人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)では工事が進む。 ただ、開催費は当初想定額から大幅に増額。海外パビリオンの建設遅れも深刻で、当初60カ国が自前で建設する「タイプA」パビリオンを目指したが、着工済みは31カ国にとどまる。 入場券を巡っても、日本国際博覧会協会は昨年11月末に前売りを開始したが、今月12日時点の販売数は目標枚数の2割にも届かない約270万枚で、協会関係者は現在の購入者について「ほとんどが企業」としており、今後は、個人の万博への興味や関心を高める必要がある。 協会は開幕半年前の9~11月と来年3~5月をPRの重点期間としており、協会幹部は「万博の中身が見えてくることで盛り上がる」と期待をかける。(井上浩平、西浦健登)