【プレイバック'13】窮地に陥った「秒速で1億円稼ぐ男」与沢翼が本誌だけに漏らしていた〝弱音〟
10年前、20年前、30年前に『FRIDAY』は何を報じていたのか。当時話題になったトピックをいまふたたび振り返る【プレイバック・フライデー】。今回は10年前の’13年12月13日号掲載の「与沢翼 独占弱音告白『部下にもオンナにも裏切られました』」をお届けする。 【家が買える】すごい……のちに半額以下の3480万円で叩き売ることになった与沢翼の愛車 「ネオヒルズ族」の〝秒速で1億円稼ぐ男〟として、その金満すぎる暮らしぶりが多くのメディアで紹介されていた『Free Agent Style Holdings』会長・与沢翼氏(当時31)。破綻が迫っていた彼に本誌は独占インタビューをしていた。 ◆「トラブルが重なって生き方を考え直すようになった」 《「もう終わり。正直、疲れました……」 秒速で1億円稼ぐと豪語してきた男は、消え入りそうな声でつぶやいた。》 与沢氏はこの年の11月23日に運転手の顔を殴ったとして、書類送検される。だが、与沢氏に言わせるとこれは《1000%濡れ衣》なのだという。この運転手は、かねてから危険な運転を繰り返していたため『次にやったら解雇する』と忠告していたが、それでもこの日危険な運転をしたために《注意の意味で右手で頬に触れて『お前、終わったわ』と言っただけ》らしい。 与沢氏は記事の中で次のように怒りの言葉を述べていた。 《被害届に添えられた医師の診断書には、「難聴性傷害全治2週間』とあるそうですが、ちゃんちゃらおかしい。9月26日以降も運転手は通常通りに出社し、たくさんの社員がまったく変わった様子のない姿を確認しています。診断書が適切な診断に基づいたものなのかも調べてもらっているところです。ロールス・ロイス・ファントムに、かわいいお姉ちゃんを乗せて飲み歩く私の姿に嫉妬していたんでしょうね》 資産は80億円。7000万円のロールス・ロイスや1億1千万円のヘリも所有し、「与沢ガールズ」と言われた美女を引き連れて毎晩100万円飲み歩く。小銭はジャマだから捨てる──。そんな与沢氏を面白く思っていなかったのはこの運転手だけではなかっただろう。さらにお金目当てに有象無象の人物が寄って来ることに与沢氏自身も疲れていたようだ。一方ではこんな弱音も吐露していた。 《私は昔から『人を見る目がない』と言われ続けてきたんです。最近、それを痛感させられる事件が相次いで、自信をなくしています。仲のよかったある経営者が逮捕されたこともショックだったし、更生させるつもりだった運転手に被害届を出されたことも正直ヘコみましたね。(中略)たくさんいた与沢ガールズも撤収方向です。いろいろなトラブルが重なり、生き方を考え直すようになったんです》 信用していた社員が経費を好き勝手に使っていたことが判明するなど、すっかり人間不信に陥っていた与沢氏。数カ月前から本業のインターネットでのアフィリエイトや情報商材の販売事業の売り上げが激減していたことも、「弱気」の一因だった。 《これからは打ち上げ花火のようなビジネスでなく、地に足のついた教育産業に力を入れていきたい。もうマスコミにも出ないし、小銭も捨てません。この50万円貯まる貯金箱に、毎日貯金します。『1円を笑う者は1円に泣く』という言葉の意味が、最近やっとわかってきたんです。これまでの与沢翼は完全に死にました》 そう言うと彼は財布の小銭をチャリンと貯金箱に放って見せた、と記事には書かれていた。 だが、これはまだ〝終わりのはじまり〟だった。翌年4月26日に与沢氏はFacebookに「資金が完全にショートした」と会社が破綻したことを告白。ホームレス同様の生活へ転落する。国税局から未払いの法人税約1億5000万円の支払いを命令されたことや入金を担当していたカード決済代行会社が不審な倒産をしたため、と’14 年当時の与沢氏は本誌に説明していた。 その後、与沢氏はほとんど無一文の状態でシンガポールへ渡り、不動産投資などで資産80億を稼ぎ、再び富豪に返り咲くことになる。彼の中で今度こそはこの当時の〝教訓〟が活きたのかも知れない。
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