“走り好き”のための個性派ミニバン「日産セレナ オーテックスポーツスペック」が普通のユーザーにもオススメできる理由とは?
徹底した防振対策の工夫が、快適性向上にも大きく貢献
もうひとつ印象的だったのが、快適性向上へのこだわりぶり。スポーツスペックは、各部の補強やフロントドアサイドウインドウの遮音ガラス化を実施したことで、細かな振動や耳障りな音を感じにくい特性を強めている。このNVH処理の恩恵もあって、走りの質感は全セレナシリーズの中でももっとも高い。 ほかにもヤマハ製のパフォーマンスダンパーや、18インチホイール&ミシュランプロパイロットの採用など、ミニバンとしてはかなり意欲的な内容が盛り込まれている。それでいて価格は2WDで438万6800円と、ベースとなるセレナ オーテック(419万9800円)に比べて18.7万円高に留まる。シャーシまわりを含めた車体まわりの贅沢なカスタマイズ内容からすれば、かなり買い得感のある値付けだ。 ◆専用コンピューターチューンを用いたという動力性能の伸び感は、エコ/スタンダードモードはベース車と大差ないが、スポーツモードでは上手に蹴り出し感を出している印象。e-POWERならではの電動駆動の強みを改めて実感。
普通のセレナとは明らかに異なるキャラは、価格アップにも十分に見合うもの
普通にミニバンを使いたい向きならば、ハイウェイスター系のe-POWER標準モデルで十分と思うが、ユーティリティ機能と同じぐらいプレミアム&スポーティを求めたいユーザーにとっては、オーテック スポーツスペックは相当刺さるミニバンになるだろう。 さらに内装装備&加飾のレベルがかなり高いことも見逃せない。オーテックが大事に育んできたブランドの世界観は所有欲も巧みにくすぐってくれる。とくにレザレット地の専用シートは座り心地や質の面でもプレミアムな雰囲気を高めてくれる。上のクラスからの乗り換えを検討しているユーザーにとっても、所有欲を満たしてくれる特別な一台になってくれるだろう。 ◆前後エアロバンパーなどの専用パーツが装着されることで、オーテックならではのスポーティーなシルエットが楽しめることも魅力。
────────── ●文:川島 茂夫(月刊自家用車編集部) ※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
月刊自家用車編集部