【皐月賞 みどころ】史上3頭目となる牝馬Vの偉業なるか!? 最も速い、世代の王者はどの馬か
「最も速い馬が勝つ」――古くから、皐月賞はそう言い伝えられてきた。 牡馬のクラシックレースの中では最も短い2000mという距離を走るため、ダービーや菊花賞と比べるとおのずとスピード勝負になりがちだが。単に脚が速い=スピードがあるだけでは勝てないの周知の通りである。 【予想配信】牡馬三冠レース第一関門『皐月賞』をガチ予想!キャプテン渡辺の自腹で目指せ100万円!冨田有紀&三嶋まりえ 皐月賞を制した馬は、早く出世する――もしかするとこの言葉には、こうした意味が込めらえているのかもしれない。 例えば1999年、このレースを制したテイエムオペラオーは当時、まだ無名の存在。 それが皐月賞を制覇するとクラシック戦線の主役としてライバルたちとしのぎを削り、4歳以降は無敵の快進撃を続け、世紀末の日本競馬界を席巻してみせた。 2012年に皐月賞を勝利したゴールドシップもそんな1頭。道悪馬場をワープするかのように内から伸びてきた彼は皐月賞馬となると、その末脚と豪快なキャラクターで一気に競馬界の主役に上り詰めていった。 この2頭に共通するのはいずれもレース前の時点では世代のトップではなかったということ。 混戦模様の世代のクラシック1冠目を制した馬はその世代をリードするだけでなく、後の競馬界を支える存在となる。例年以上に混沌とした印象を与える今年の3歳牡馬戦線にもそうした軸となる存在が、皐月賞を終えれば現れることだろう。
そんな今年の皐月賞、主役候補と目されているのがジャンタルマンタルだ。 父のパレスマリスはアメリカでダートGⅠ2勝を誇るのをはじめ、血統構成を見ると芝で走るよりもダートで良績を挙げそうなタイプに感じられたが、実際に走ってみるとパワフルな先行力を武器にデビュー以来、堂々の2連勝をマーク。 デイリー杯2歳Sでは2着馬に軽々と2馬身差を付けるなどレースセンスの高さを早くも見せる形となっていた。 そんな中で迎えた朝日杯FSは馬体こそまだフワフワとしてどこか頼りなげに見えたが、レースではまるで弾むかのようなしなやかなフットワークを見せて他馬を圧倒。 文句なしの走りで無敗の2歳王者となり、最優秀2歳牡馬のタイトルをも獲得した。 この馬に敵う馬はいるのだろうか―― ライバルたちにそう思わせていたジャンタルマンタルだったが、年明け緒戦の共同通信杯では中団から伸びてくるも前を捕まえられずにまさかの2着。 スローな流れが響いたとはいえ、らしくない敗戦は2歳王者の立場を大いにぐらつかせた。 皐月賞は叩き2戦目となるだけに、もう負けられない。しなやかなフットワークは距離延長にも十分対応できそうで、今度こそ2歳王者の意地を見せてくれることだろう。