水谷豊演じる熱血教師が、学校や生徒の問題にまっすぐ向き合う 「熱中時代・先生編」後半戦のあらすじ&見どころに迫る
1978年10月に放送がスタートし、その後の学園ドラマや教育ドラマに多大な影響を与えたドラマ「熱中時代・先生編」。人気ドラマ「相棒」シリーズで知られる水谷豊が主演を務め、熱血小学校教師・北野を演じている。BS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)では、4月6日より毎週土曜夜6時から2話ずつ連続放送中。本記事では、最終回に向けた後半戦(17話~22話)のあらすじや見どころを紹介していく。 【写真】生徒たちに優しく寄り添う水谷豊“北野広大” ■生徒の画策で3年4組が学級閉鎖に… 第17話「『ノコベン』とメンコ大会」では、小学校教師の北野(水谷)が、授業についていけない生徒たちに補習(通称:ノコベン)を施す。しかし他の教師からは否定的な意見があがり、下宿先の校長・天城(船越英二)にも反対されてしまう。 そんな中、黒丸という人物が校長を辞めさせようと動き回っていた。去年PTA副会長を務めていた黒丸は、PTAの肩書を利用して選挙に出ようとした際、天城に怒られたことを根に持っていたのだ。 一方、生徒にメンコやベーゴマなどの遊びを教えていた北野は、ある時ベーゴマが生徒の額に当たり怪我をさせてしまう。校長室には保護者たちが続々と押し入り、クレームが殺到する。北野は反発する保護者に対し、メンコやベーゴマ遊びの良さを語るが、同席していた黒丸と揉み合いの喧嘩に発展し、その結果北野は黒丸を突き飛ばしてしまう…。 教育委員会に訴えてやると台詞を吐き、出ていく黒丸たち。そんな彼らを尻目に、天城は北野に“自分がこの問題で辞めることになっても、それは自分の信念によるものだ”と北野に伝えるのだった――。 北野を想い、自らの危険を冒してまで彼を守ろうとする天城の姿勢は感動的なシーンとなっている。 第18話「三年四組学級閉鎖」では、ある時北野が担任を務める3年4組の生徒の一人・アダチが眼帯をして登校してくる。実は宿題で“ナイフを使った鉛筆削り”が出題され、母親にナイフの使用を反対されたアダチがこれに反発し、なんと自分で眉毛をすべて剃り眼帯で隠していたのだ…。 その後、目の病気で早退したアダチを北野が探しに行き、一緒にラーメンを食べるなどして過ごす。そして、北野もアダチと同じように眉毛を全剃りする。実は、北野がアダチに眉毛が無くても平気だとフォローしたところ、アダチから証拠を見せろと言われたため全剃りしたのだった。 しかしアダチは翌日も早退し、その結果風邪が流行していた3年4組は学級閉鎖になり、なぜか大喜びする生徒たち。実はアダチはクラスメイトと共謀して、学級閉鎖になるよう画策していたのだ。これを知った北野はアダチ家に向かい、先生が眉毛を剃るなら学校へ行くという約束を破ったアダチを叱り――。 “眉毛を全剃りする”という北野の思い切りの良い大胆な行動は衝撃的だったが、アダチに共感して行動で示す姿や、生徒一人に対してここまで真剣に向き合う姿は、胸を撃たれるシーンとなっている。 ■北野が“生徒の姉”とデートをすることに… 第19話「熱中先生と恋の破れガサ」では、北野の恋模様が少しだけ垣間見える回となっている。ある日、北野に想いを寄せる和美が、自分が勤めるようになったバーに来てほしいと北野を誘いに来る。最初は迷っていた北野だが、和美が自分を信頼してくれていると思いバーへ行くことにした。 その後、和美のバーで飲み、酔っ払った北野は和美に自宅に泊まっていくか尋ねられるが、泊まるワケにもいかず、土砂降りの中を歩いて帰宅。北野はあくまで自分が“聖職者”であることにこだわり、誠実な対応をするシーンからは、彼の真面目な性格が伝わってくる。 一方学校では、北野が3年4組の生徒に最後まで頑張ろうと何気なく話したことで、“生徒の一人が肺炎にかかりそうなほど無理をして登校していた”という事実が発覚する――。 北野は校長の天城から、馬車馬もいいが時には立止まって周囲を見回して欲しいと諭されるのだが、天城が北野を常に気にかける様子は、まるで本当の父親のように映っている。 続く第20話の「若草物語・熱中篇」では、ある姉妹の健気な想いが描かれる。3年4組の女生徒・ユカリは、友人といる時は普段通りなのに、北野の前では元気が無かったり忘れ物をし始めたりと何やらおかしい様子を見せる。 北野がユカリの姉の担任に事情を話すと、ちょうど姉本人が職員室にやって来て、北野に家庭訪問した方がよいと頼んでくる。それを聞いた他の教師は、“姉は北野に気があるのでは?”とはやし立てるのだった。 そしてある休日、北野の下宿先に姉から妹の具合が悪いから来てくれと電話がかかって来る。北野が慌てて駆け付けると、ユカリはぴんぴんしており、途中で2人の年の離れた姉が帰宅したことで、ユカリが寝込んだのは嘘だとバレてしまう。 実は姉妹は、一人で自分たちを育てる姉を想い、北野とお見合いさせる計画を立てていたのだ。北野は考えた結果、“姉の気持ちは嬉しいが応えることができない”と、北野は姉とのデートでわざと嫌われることにするのだが――。 同話では、大声を出したり奇抜なファッションをしたり、優柔不断な男を演じたりと、水谷の嫌われるためのコミカルな演技が見どころとなっている。 ■宿題をやってこない生徒や、“嘘つき”と呼ばれる生徒と向き合う北野 第21話「人情タコ焼き先生」で、北野は“校門を一歩出たら自由に遊ばせたい”という想いから、普段宿題を出さないという方針を取っていた。しかし教頭(小松方正)に、宿題を出した方が良いと言われ、生徒たちも教頭に怒られた北野を気遣い、宿題を出してほしいと要望を出す。 これを受け、宿題を出すことになった北野だが、翌日一人の生徒が宿題をやってこなかった。その生徒に相談があると声をかけられた北野が生徒の自宅へ向かうと、ある事情が発覚する。 実はその生徒は父子家庭で、怪我をした父親の代わりにすべての家事や内職の手伝いをしていたため、宿題すらままならない状況だったのだ。また父親は普段タコ焼きの屋台を営んでいたが、怪我で営業ができずにいた。そこで事情を知った北野は、父親に代わって屋台の店主を務めることに――。父親を想う生徒の健気な気持ちや、北野の優しさにほっこりする回となっている。 そして第22話「お雛さまとさびしい宇宙人」では、3年4組の生徒・モリが“嘘つき”呼ばわりされるところから物語がスタートする。モリが嘘つきと言われるようになったのは、彼がUFOを見たと発言したことがきっかけだった。またモリは他にも、自分は孤児だなどと普段から嘘をついていたようで、北野と“もう嘘をつかない”と約束をする。 そんなモリの家は餅菓子屋を営んでおり、モリはある時“私は宇宙人だ”と語る客に出会う。モリはもちろん学校で宇宙人と会ったと話すのだが、案の定“嘘つき”呼ばわりされる始末…。 モリは宇宙人を連れてくると言って泣きながら途中で帰宅してしまい、その後行方知らずに。北野は警察の力を借りながら必死の捜索を開始。そして北野が走り回る中、自称“宇宙人”の男性とモリの姿を発見する。実はその男、ある事情を抱えているようで――。北野が生徒を想って必死に走り回る様子は、“熱血教師”さながらの熱いシーンと言えるだろう。 ちなみに7月27日(土)に放送される最終話(第26話)では、北野が生徒一人一人に声を掛けながら別れを告げる様子が描かれ、多くの視聴者の涙を誘った。そんな最終回に向かって描かれる後半のエピソードも、北野のまっすぐ生徒たちと向き合う姿や、北野を優しく見守る天城の姿などが描かれ、感動的なシーンが随所に散りばめられている。