あれもこれも欲しくなる「世界の美しいモノ」 全方位ch
物欲が止まらない。美しいモノを見ると、心が躍る。どこでどんなふうに生み出されたのか…。あれこれと思いをはせるのがまた楽しい。NHKの海外紀行番組「世界はほしいモノにあふれてる」は、モノを通してその国や地域の文化や風土など、それまで知らなかった新しい世界やドラマを教えてくれる。ときめきのあまり、番組で紹介されたモノをどうしてもこの手にしたくなることもある。 番組は平成30年4月にスタート。世界を旅するトップバイヤーたちに密着し、ファッション、グルメ、インテリア、雑貨など各地に眠るすてきなモノを探すというコンセプトで、これまで特番などを含めて121本、約50の国や地域が取り上げられてきたという。フランスの極上のチーズやロンドンの最先端ファッション、スイスやドイツのおもちゃ、フランスと中東のボタンなど、さまざまなテーマが記憶に残っている。 コロナ禍などの影響で、令和3年3月18日でレギュラー放送は終了。その後、年に3本前後が放送され、MCの鈴木亮平さんのイタリアの旅が今春にも放送されたばかりだ。 実は、この番組で紹介されたことをきっかけに、購入したモノがいくつかある。印象的なのは、イギリスのティー文化がテーマの約4年前の番組。紹介されたバーレイ社の陶器にくぎ付けになった。銅板転写という技術を使って、職人たちが仕上げる様子に魅了され、まさに一目ぼれ。 どうしても欲しい。日本で購入できる方法を調べたが、欲しい絵柄と色がなかなかそろわない。コロナ禍で、海外旅行も現実的ではなかった。現地にメールで問い合わせたり、現地のつてを頼ったりしながら、ついにお目当てのティーカップと皿の数々が国際郵便で届いた時の感激は忘れられない。放送から約10カ月。入手過程でやりとりした人たちとの出会いも含めて、私にとっては旅だった。 このほか、番組に登場した京都の茶筒や、岩手県の漆器もお店に直接予約し、半年以上待って入手した。新しい世界や文化、それに魅せられたときめき、手に入れるまでの過程…。世界の美しいモノに、自分自身のストーリーが加わるからこそ、とっておきの宝物になる。今年度も特番は放送される予定だそう。どんな旅に出会えるのか、楽しみだ。(陽)