おいしい米を食べて景観維持に貢献する取り組み『つながるシェア田』【熊本】
テレビ熊本
おいしい米を食べて景観維持に貢献する取り組み『つながるシェア田』。6月に上益城郡山都町の田んぼで田植えをした人たちが10月、稲刈りを行いました。 【農家】 「こうやって一気に引っ張る」 10月、山都町菅地区のある田んぼで稲刈りが行われました。 さかのぼることおよそ4カ月。 【参加者たちの田植え】 田植え体験をしているのは、この田んぼのオーナーたち。 『つながるシェア田』という取り組みの参加者です。 『つながるシェア田』とは、ひとことで言えば「棚田のシェア制度」。 参加費を払うことで、この田んぼで作られた無農薬米が生産者から定期的に届けられます。 【参加者】 「いい感じ」「(田植えは)初めて。楽しい。こんな大変な思いをした上で米が届いているのだなと、次から感謝の気持ちが増す」『日本の棚田百選』にも選ばれている山都町の棚田。 しかし、人口減少と高齢化による農地の担い手不足で耕作放棄地が増加し、美しい棚田の風景が失われつつありました。 そこで、『つながるキッチン』代表の中原 麻衣子さんが無農薬のおいしい米を食べ、山都町の景観維持に協力しようと、2015年から『つながるシェア田』という取り組みを始めました。 今では全国におよそ100組のオーナーがいます。 そして今回、『つながるシェア田』初となる稲刈りを実施しました。 【参加者】 「いけてる、いけてる!できた!」 元メジャーリーガーの岡島 秀樹さんも家族と参加しました。 【岡島 秀樹さん】 「力があるから結構バッといける。自分たちで田植えして稲を刈るのはバロメーターというか、習慣になるのでいい経験かなと思う」 台風や酷暑に見舞われたことしの田んぼでしたが、米の出来は例年より良いそうです。 【シェア田 生産者代表 松川 陽一さん】 「草刈りが大変で、例年より1~2回多く草刈りした米が田植えしてできるまでを 勉強してもらえると、苦労を分かってもらえるというか、うれしい。また、それを食べてもらえるとおいしいのではないかと思う」 初めての稲刈りイベントを終え、中原さんも「生産者に対する感謝の気持ちを育んでほしい」と話します。 【台所文化伝承家 つながるキッチン 代表 中原 麻衣子さん】 「こんなに頑張って刈ったのに『これがご飯茶碗1杯分にしかならないの?』という部分を含め、東京で米騒動ではないが、米が手に入らないという状況になった時に、それ(シェア田の米が届けられること)が当たり前ではないと(オーナーの)皆さんにも感じていただいたかな、というところで(稲刈りを)開催できてよかった。 〈つながり〉という部分をこれからも大事にして、(オーナーと生産者で)お互い支え合いながら続けていきたい」 全国のオーナーと山都町の生産者たちは、これからも『シェア田』でつながりを深めながら、山都町の景観を未来につなぎます。
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