ボタン電池誤飲で消化管に化学やけどの恐れ ── 国民生活センターが注意呼びかけ
国民生活センターは30日、乳幼児がボタン電池を誤飲することで化学やけどのおそれがあると注意を呼びかけた。誤飲すると、消化管に潰瘍(かいよう)ができたり、穴が開いたりするおそれがあるとしている。
ボタン電池を飲み込むと、消化管に接触した電池から電流が流れ、電気分解の作用でタンパク質を溶かす性質のアルカリ性の液体が作られる。この液体は、短時間で消化管の壁に損傷が起こることがあるとしている。同センターが行った、鶏肉を使った再現試験では、鶏肉の上にボタン電池を置くと、20分で電池の形のくぼみができるほどの損傷を確認した。
日本玩具協会の玩具安全基準では「ボタン電池の蓋は、工具等を使用しないと容易に開かない構造でなければならない」としているが、簡単にボタン電池が取り出せる商品が多数販売されている。 同センターでは、家電量販店や100円ショップなどから取り寄せた電子体温計やキッチンタイマー、電卓など29銘柄について、フローリング床への落下試験を実施。高さ30cmからの落下で4銘柄、高さ138cmからの落下で5銘柄の電池ぶたが開き、電池が飛び出したとしている。 同センターは「乳幼児がいる家庭では使用や保管には注意し、ボタン電池を飲み込んだ場合は、ただちに医師の診断を受けてほしい」と呼びかけている。