「通知が来たら即撮影」2分以内の制約が課せられるSNSにハマる若者が急増…授業中もバイト中も撮影してしまうスマホ中毒の呪縛
近年、中高生を中心に流行している写真共有SNS「BeReal」。「通知が来たら2分以内に撮影しなければならない」という独自のルールから、TPOをわきまえずに撮影する中高生が問題になっている。なぜ若者たちはそこまでSNSのしがらみにハマってしまっているのだろうか。 【画像】取材中にもスマホを取り出す大学生のユキさん
話題の“映えない”無加工SNSが問題になっている背景
中高生の間で流行しているSNSアプリ「BeReal」をご存じだろうか。 このアプリは、1日1回ランダムに通知が来るシステムで、「2分以内に写真を投稿しないと他の友達の投稿が見られない」というルールがある。そして、この即時投稿しなければならないというルールが中高生に深刻な影響をもたらしている。 というのも、授業中やバイト中でもお構いなしに撮影する中高生や大学生の存在が指摘されており、保護者や学校関係者から苦情が相次いでいる状況なのだ。また、撮影する際にシャッター音が鳴るので、このSNSを使用しない生徒たちからは「シャッター音が気になる」、「気が散る」といった意見もある。 こうした仕様については「スマホ依存を助長している」との指摘もあるが、なぜ若い世代はここまで夢中になってしまうのだろう。毎日投稿するという高校生と、頻繁に投稿する女子大学生を取材し、「BeReal中毒」になってしまう彼女たちの心理を深堀りした。
毎日投稿するのは当たり前、通知が来ないとソワソワ…
最初に話を聞いたのは現在高校1年生のハルさん(仮名・16)だ。ハルさんは2023年の7月からこのアプリを使い始め、そこからは毎日欠かさず投稿しているという。 「通知がなかなか来ないと待ち遠しくてソワソワしちゃいます(笑)。自分でもかなりハマっているなって感じますね」 そんなハルさんになぜここまでハマってしまっているのか聞いた。 「一番の理由は、学校とかで通知が来たときに友達みんなで騒ぐのが楽しいからですね。アプリからの通知ってみんな一斉に来るんですけど、その場に友だちがいると『BeReal来たから撮ろう!』って盛り上がるんです。 あとは友達が近くにいないときでも、自分や友だちが今何をしているのか共有できるので話題が増えて楽しいんです」 ハルさんはSNSの「Instagram(インスタグラム)」で繋がっている友人はBeRealでも繋がっているという。知り合い程度の関係性でもアカウント交換することもあり、よりオープンなSNSかつ加工で“映え”を意識することが特徴のインスタグラムだが、BeRealは無加工の写真が基本。“ありのままの自分”を見られることに恥ずかしさや抵抗は感じないのだろうか。 「無加工の自分を見られることに対して特に抵抗はありません。でも自分には大して撮るようなイベントがないときに、BeRealで楽しそうな様子をアップしている人や、私生活が充実している様子を載せた投稿を見ると、劣等感を感じることがあります。そういう“リア充”の人から、自分の大したことない投稿についてリアクションされると少し恥ずかしいという気持ちはありますね(笑)」 やはりSNS特有の自己と他人を比較することで感じてしまう“劣等感”や“承認欲求”はあるようだ。 次にBeRealを使っていない同級生について聞いてみた。アプリを使用していないことで、クラスの話題に乗り遅れたり、仲間外れにされたりすることはあるのだろうか。 「私の学校では携帯をロッカーにしまっておかないといけない決まりがあるので、学校生活中は基本BeRealを撮りませんし、話題に上ることも少ないです。だから、やっていないとクラスに馴染めないなんて雰囲気はありません」 ハルさんの場合、授業中にスマホで写真を撮ることなどはなく、あくまで親しい間柄同士で一緒に楽しみ、思い出を共有するためのポジティブなツールとして使っているようだった。
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