工夫凝らしたプラン発表 社会課題解決のビジネス、和歌山県内の中高生
和歌山県内の中高生に、社会課題解決につながるビジネスプランを考えてもらう教育プログラム「チャレスピ2024」の最終発表会が5日、オンラインで開かれた。6チーム23人が経営者らの講義を受けたり議論を重ねたりして、検討してきたプランを発表。身近な社会課題から生まれた独創的なアイデアが並んだ。 【高校生がビジネス案 地域課題に挑戦、神島塾3期、和歌山の記事はこちら】 和歌山にゆかりのある経営者らでつくる一般社団法人「和歌山イノベーションベース(WIB)」が主催、県が共催し、本年度初めて開かれた。田辺高校や白浜中学校、新宮高校などの生徒が参加し、オンライン形式で受講。7月からはチームに分かれ、それぞれで社会課題の解決につなげるビジネスプランを検討してきた。 発表されたプランは、白良浜に遊びに行く人らをターゲットに、飲み物の冷たさを保つキャリーバッグの貸し出し▽都会の現役世代を対象に県内での農作物収穫体験や収穫物を使った料理の提供▽無人店舗での若者対象の衣類の貸し出し▽紀ノ川で釣り人が捕獲した外来魚を回収し肥料に加工して農家に販売▽米粉を使用し、飲み物に合う味を付けたストローの販売▽既存のものを改良した体を冷やすタオルの開発。 各チームは、環境問題や観光振興、開発途上国の労働問題、農家の高齢化、熱中症予防などの課題を挙げ、考案したビジネスプランによってどのように解消していくかについて説明した。ターゲットを明確にして料金を設定。見込まれる収支を試算した中長期的な経営計画なども示した。アプリ導入など利用しやすい仕組みづくりを考えたチームや、実際に商品を試作したチーム、プランの裏付けのために関係者に聞き取りをしたチームもあった。 県内出身の会社社長、上野公嗣さんが講評。各プランとも高く評価し、さらに良くなるよう助言した。 この後、高校生による4チームは日本政策金融公庫の「高校生ビジネスプラングランプリ」に、中学生2チームは別のコンテストに応募する。12日の10回目の講義で応募に向けた準備をし、本年度の「チャレスピ」は終了する。
紀伊民報