テスラのギガファクトリーを訪れたイーロン・マスク（Photo by Maja Hitij/Getty Images）

暗号資産ドージコインの価格は3月14日、イーロン・マスクがこのコインが将来的にテスラ車の支払いに利用される可能性を示唆したことで急騰した。 【画像】犬をモチーフにしたドージコイン ドージコインの価格は、直近の24時間で8％近く上昇して約0.18ドルに達した。ボラティリティが高いことで有名なこのミーム系トークンの時価総額は約265億ドルに達し、最も価値のある暗号資産のトップ10に入っている。 この急騰は、ドイツのテスラの工場でマスクがドージコインを大々的に宣伝したことを受けて発生した。工場で開かれたイベントで、聴衆の1人から「テスラの車両をドージコインで買えるようになるのはいつか？」と尋ねられたマスクは「いずれは可能にするべきだ」と述べた。 ベルリン近郊のギガファクトリーを訪れていたマスクは、ドージコインがすでにテスラの公式グッズの購入に利用可能になっているとも発言した。 以前から犬をモチーフにしたこのコインの愛好家として知られる彼は、他の暗号資産よりもドージコインを支持する理由について「多くの金持ちはビットコインを支持しているが、私が話をしたテスラやスペースXの工場のラインで働く人たちは、ドージコインを支持している」と説明した。「ドージは、人々のための暗号資産だ。だから私は支持する」とマスクは語った。 彼はまた「ドージ・トゥ・ザ・ムーン（ドージコインを月に）」と発言して聴衆を沸かせた。トゥ・ザ・ムーンという言葉は、暗号資産コミュニティでよく使われるフレーズで、月まで届きそうな勢いの強い上昇トレンドに対する楽観主義や確信をあらわすものだ。 マスクは、以前からドージコインを支持しており、昨年春には一時的にツイッターのロゴをこのコインの象徴である柴犬の画像に変えていた。彼はまた、フロキという名前の柴犬を飼っている。 ドージコインは、他の暗号資産に比べても値動きが非常に激しいことで知られ、約3年前に0.68ドルを超える史上最高値をつけた後、2022年半ばには0.10ドル以下に沈んでいた。マスクは以前「投資は慎重に」と呼びかけていた。このようなミームベースのコインは、ごく短期間で価格が数十倍も変動することが珍しくない。 暗号資産市場全体の時価総額は現在、2兆8500億ドル（約423兆円）に達している。この市場の約半分を占めるビットコインは先週7万2000ドルを超える過去最高値を記録し、来月に迫った半減期を前に過去7日間で約8％上昇している。イーサやソラナのソル（SOL）、バイナンスのBNBなどの他の暗号資産もここ数週間で急騰しており、市場は昨年の1兆ドル割れの暴落からほぼ回復している。