森保監督が感じた「可能性」、「試したい」試合中の変更、「負担大」の久保建英、W杯ベスト8の「課題」【日本代表「W杯2次予選」と「最終予選」の激論】(5)
■一枚一枚の駒の性能が「4年前より確実にアップ」
後藤「しかも一枚一枚の駒の性能が、4年前より確実に上がっている」 大住「問題は、良いコンディションでいてくれるか、だよね」 後藤「基礎的な戦力が上がっていれば、コンディションが悪くてもある程度できるはずでしょう。それに、層が厚くなって、どのポジションでも取り換えが効くというのは、すごく重要なことだよ。コンディションが悪い選手は、呼ばなくていいんだから」 大住「あとは三笘薫にトップフォームになって帰ってきてほしいね」 後藤「そうだね。三笘も久保建英も、このオフにしっかり休んでもらいたい。だって一言で1シーズン戦うといっても、大変なことだよ。今の選手たちは各国リーグで優勝争いするようなチームに所属して、ヨーロッパのカップ戦までやっているわけだから。負担はどんどん大きくなっているわけだよね。もちろん、残留争いするチームの選手も大変だろうけど」
■ワールドカップで「ベスト8」に行くための課題
――後藤さんが考えるチームの課題は何ですか。 後藤「モチベーションをどうやって保つか、じゃないかな。アジアのチームを相手に、絶対的に自分たちのほうが戦力が上という試合を繰り返す中で、どうやってチーム力を上げていくのか。森保監督もシリア戦後、目の前の試合に勝つことと成長することのバランスを取らなければいけない、と何度も言っていたけど、まさにそこだよね。アジアの相手と戦いながら、ワールドカップ本大会で上まで行けるようなチームをつくるという難しい作業をしなければいけないわけだから、大変な仕事だね」 大住「本当だよね。よくやっていると思うよ。それも、世界で戦うというリアリティが、一時代前とは違うからね。本当にワールドカップでベスト8に行くかどうかというレベルの話だから。以前は口ではそう言っていても、ワールドカップ出場権を取ったら浮かれてしまう時期があったよね。でも今は、予選でサウジアラビアやオーストラリアと戦いながら、本大会でスペインやドイツと戦うことを考えなければいけない時代になってきている。選手たちがそういうリアリティを持って考えられるし、感じられるし、周りもそう思うようになっているから、重みが全然違うよね」 後藤「プレミアリーグやブンデスリーガで優勝争いしているようなチームの選手たちが集まっているんだからね。2018年のロシアW杯のノックアウトステージでベルギー相手に2点リードして、逆にどうしていいか分からなくなっちゃうといったことは、もうないだろうね。クラブで毎週のように世界最高の相手と対戦している選手たちなんだから」
大住良之,後藤健生
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