巨人10連敗に大物OBの広岡達朗氏が警鐘「高橋由監督は勉強不足」
巨人が11年ぶりに10連敗を記録した。きょう6日の西武戦で11連敗を喫すると1975年に第一次長嶋政権が作った不名誉な球団ワースト記録に並ぶ。10連敗中に打線はつながらずに、平均得点は2.2。頼りのエース菅野智之が交流戦初戦となる楽天戦で8失点(自責6)するなど連敗ストッパーになれず、7連敗をした2日には抑えに失敗したカミネロに、中井大介、立岡宗一郎らを落とし西村健太朗、篠原慎平、クルーズを昇格させるなど、計8人を入れ替えたが、新ストッパーに指名したマシソンが救援に失敗するなど、負の流れを止めることはできない。4番抜擢した村田修一が満塁本塁打を放った3日のオリックス戦も勝てなかった。 巨人の大物OBである広岡達朗氏は、高橋由伸監督以下、ベンチが機能していない点を指摘する。 「今巨人で一番勝てるピッチャーは誰か? 楽天戦で打たれたといえど菅野だろう。ならば、交流戦終了後には4日間のブレイクがあるのだから、菅野を中6日ではなく、もっと間隔を詰めて、フル回転させるような策があってもいいだろう。高橋監督が直接、『バックアップするから行ってくれ』と話をすればいいのだ。打線にしてもそうだ。チーム貢献のバッティングを1番から9番まで全員がやらねばならない。そういうチーム野球をやってきていないツケが回っている。高橋監督も勉強不足だ。コーチ経験がなく、すぐに監督就任したので勉強する時間がなかったのかもしれないが、采配に迷いや遠慮のようなものが見える。長野のスランプも長すぎる。脱出する手助けを、監督、コーチもしてやらねばならないが、彼のコンディションを陰の部分からずっと見ていないのでできないのだろう。指導者が教える技術をもっていないのも問題なのだ」 随所にバントミスや守備の乱れなどチームプレーが徹底されていない歪が生まれている。 広岡氏は、つきつめれば、昨年オフの大型補強に原因が行き当たるという。 「去年もそうだ。巨人はいい選手をとりすぎて、ずっと本当のチーム強化、育成をやっていない。そういう努力を怠ると指導者も育たない。勝たねばならないチームの宿命はわかるが、ようするに楽をして結果を求めた結果が、獲得した選手がまるで働かないような、ひとつ間違えばの事態が起きると、今のような状況を生み出すのだ。フロントにも責任がある。広島を見れば、どういうチームが理想かがわかるはず。チームのビジョンを見返さない限り、根本は解決しないだろう」 そして広岡氏は、このままだとさらに危険な問題につながることを警告する。 「陽岱鋼、山口俊のFA選手2人がようやく1軍に合流すると聞くが、戦力はダントツなのだ。これで最終的に4位、5位に終わりそうならば、次の監督が誰か? という騒動が始まるだろう。そうなれば野球どころではなくなる。今からでも遅くはない。理屈じゃなく、革命を起こすつもりでフロント、監督、コーチ、そして選手個々が取り組まなければならない。一人ひとりが、自分というものを持ってプレーすることだ」 今日6日の西武戦から陽岱鋼が1軍昇格、来週には山口俊が巨人での先発デビューができる予定。現在、借金は「7」。2桁に乗る前ならば、ギリギリ反撃は間に合うのかもしれない。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)