西田さんを思い涙ぐむ米倉涼子

　女優の米倉涼子（４９）が３１日、東京都内で映画「劇場版ドクターＸ」（田村直己監督、１２月６日公開）のワールドプレミア舞台あいさつに登壇した。作品に寄せる思いを話したが、同作に出演し、１０月１７日に７６歳で急逝した西田敏行さんを思い、涙ぐむ場面もあった。 　２０１２年１０月から７シリーズにわたりテレビ朝日系列で放送された連続ドラマの映画化。今回がシリーズ完結となり、米倉演じる孤高のフリーランスの外科医・大門未知子が史上最悪の危機に挑む姿を描く。同作は現在開催中の第３７回東京国際映画祭の「ウィメンズ・エンパワーメント」部門の正式出品で、この日、世界初のお披露目となった。 　米倉は、黒いベアトップのドレスに「Ｘ」のモチーフをちりばめたネックレスとブレスレットを装着してゴージャスな装い。「私、体中”Ｘ”で来ました」とおちゃめにほほ笑んだ。 　１２年間、かっこよくて強いヒロインとして駆け抜けてきた米倉は「ドラマがなかったら、ここに私たちは立っていない。”大門未知子”を生んでくださった中園ミホさん（脚本担当）をはじめとするスタッフの皆さんに感謝します」と感慨深げに語り、「１２年間続くって、すごくないですか？　シーズン１で終わるつもりでやっていた作品が、またもう一回、またもう一回ってなって西田さんも参加していただき、最後の劇場版に…そこに存在してくれたということに感謝して今日ここに立っています」と涙で言葉を詰まらせながら天国の西田さんに思いをはせた。

左から脚本家の中園ミホさん、内山聖子エグゼクティブプロデューサー、米倉涼子、田村直己監督

　作品の中で一番好きなセリフを聞かれた米倉は「そうねぇ…『私、失敗しないので』って、けっこう言いにくかった」とドラマを代表する有名なセリフを挙げ、「私、階段から落ちたり、いつも失敗するんで。一番楽しく言えたのは『いたしません』。みんなが言えないことを大門未知子を通して言うのが好きでした」と振り返った。 　続けて「私の顔を見て『いたしません』って言って逃げていく子どもたちがたくさんいましたよ（笑）…私何も頼んでいないのに」と困り顔で面白エピソードを明かした。