スーパーで働いていますが、週1で「店員の態度が悪い」「それが客への態度か」と長時間クレームをつけてくる人がいます。店長は「一応お客様だから…」と言うだけです。警察に相談するのは大げさですか?
顧客であっても、不当な要求や理不尽な言動は「カスタマーハラスメント」に該当します。状況次第では警察との相談もためらうべきではありません。厚生労働省の「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」では、企業内でどう取り組むべきか、また顧客に対しどのようにカスハラ禁止を訴えていくか、といった対策も示されています。 本記事では、カスタマーハラスメント対策の具体的かつ実践的な内容をまとめました。 ▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは?
カスタマーハラスメントとは何か
カスタマーハラスメント(以下カスハラ)とは、顧客から受けたクレームや要求のうち、要求の内容が不当、または顧客の要求を実現するための手段・態様が不相当なものを指します。 不当な要求の典型例は、「商品サービスに問題がないのに交換を要求する」などです。手段・態様が不相当というのは、暴言、土下座の要求、長時間の居座りなど様々な類型があり、暴力行為など犯罪に該当するものもあり得ます。
カスハラへの対応方法
カスハラ対応については、厚生労働省がわかりやすいマニュアルなどを公開しています。 大事なポイントは次のとおりです。 ■カスハラの判断基準を明確にしておく 現場で判断に迷わないように、企業内でどのような場合がカスハラにあたるかを明確にしておくことが重要です。 「要求内容が妥当かどうか」については、事実関係を確認し、根拠のある要求かどうかを見極めます。例えば商品の交換・返品要求も、品物に問題があれば当然応じるべきですが、問題がない場合は不当な要求として断るべきです。 「要求を実現するための手段・態様が妥当かどうか」については、具体的・客観的な基準を社内で明確にしておくべきです。例えば「長時間の居座り」というだけでは不明確です。居座りが30分以上に及ぶ場合は不当な居座りとして扱う、などの基準を定めておきましょう。 暴力行為やセクハラなどは論外です。ただちにカスハラと判断すべきです。 ■カスハラを想定した事前準備を整える 経営トップがカスハラは許さないという方針を明確にし、従業員にも顧客にも、周知することが大切です。図表1のように厚生労働省がカスハラ防止用のポスターを作成しているので、ダウンロードして店内に掲出するのもいいでしょう。カスハラ発生時の相談対応窓口や対応方法なども明確にしておきます。 図表1