ワクチン接種に不安を抱える妊婦を守る「コクーン戦略」 専門家が解説
ワクチン接種は“発症”予防だけでなく“感染拡大”予防にも高い効果
コクーン戦略の前提として、ワクチンには「感染予防効果」があるということをぜひ知っておいていただきたいと思います。 mRNAワクチンは、去年12月に世界で初めて承認されました。その時点では、発症予防効果と重症化予防効果のみのデータしかなく、感染予防に関してはまだ調査中であると発表されていました。しかしその後、感染予防効果についての検証が進み、今では高い感染予防効果を示すデータも多く発表されています。ワクチンを接種することで、発症予防・重症化予防できるだけではなく、感染自体を予防することができるのです。
コクーン戦略で妊婦を守るために
新型コロナウイルスは、基本的には感染者の呼気(吐いた息)によって人から人にうつっていくものなので、自分自身が感染しなければ他人にうつすこともできません。ワクチンを接種して自分自身が感染しにくい体になることで、妊婦さんの感染リスクを下げることができます。 妊婦さんの周りに「繭」を作ってあげるためにも、周りの方々が積極的にワクチン接種を考えていただけたらと思います。一人ひとりの行動が、良くも悪くも社会に大きく影響を与えてしまうのがパンデミックですので、皆さんで一緒に乗り切っていきましょう。 記事監修:こびナビ 新型コロナワクチンに関する正確な情報を届けるプロジェクト 解説者:内田舞(うちだまい) こびナビメンバー ハーバード大学助教授 小児精神科専門医 北海道大学医学部卒。在学中にイェール大学研修医プログラムにマッチし、卒業と同時に渡米。イェール大学病院で成人精神科レジデンシー、ハーバード大学・マサチューセッツ総合病院小児思春期精神科フェローシップを経て、2013年よりマサチューセッツ総合病院小児精神科指導医。現職はハーバード大学医学部助教授、マサチューセッツ総合病院小児うつ病センター長。小児精神疾患の診察と治療、子供の感情や思考に関する脳画像研究、子供と家族の健康に関わる教育を専門とする。